エッチングは成膜・露光で作ったマスク形状に沿って、不要な薄膜を除去して素子形状を決める工程です。ドライとウェットで異方性・選択比の挙動が異なり、微細化ほどドライの比重が高まる傾向があります。
エッチング装置(Etching Equipment)は、半導体ウェハ上の薄膜・基板材料を選択的に除去するためのプロセス装置です。フォトレジストや他の保護膜をマスクとして、マスクのない部分の材料を化学的・物理的作用で精密に削り取ることでパターンを形成します。半導体製造工程の中で最も使用頻度の高い装置カテゴリの一つです。
エッチング装置は大きくドライエッチング装置とウェットエッチング装置に分かれます。ドライエッチング装置はプラズマを利用してガス相でエッチングを行い、異方性(垂直方向への選択的エッチング)に優れ微細パターン形成に不可欠です。RIE(反応性イオンエッチング)が基本方式で、ICP(誘導結合プラズマ)型・CCP(容量結合プラズマ)型など複数の方式があります。ウェットエッチング装置は薬液槽やスピン方式で等方性エッチング・洗浄・選択除去に使われます。
先端ドライエッチング装置の主な適用工程:ゲートエッチング(ポリシリコン・メタルゲートの精密加工)、コンタクト/ビアホールエッチング(高アスペクト比でのSiO₂/SiN貫通)、3D NANDのチャネルホール・スリットエッチング(60:1超の超高アスペクト比)、FinFET/GAAのフィン形成、サイドウォールスペーサーのエッチバックなど、デバイスのキー構造を形成するあらゆる工程で使われます。
最先端技術として、ALE(Atomic Layer Etching:原子層エッチング)は1原子層ずつ精密に除去できる技術で、GAAナノシートのSiGe選択除去・High-kゲートメタルのエッチング・EUVパターン修正などへの採用が拡大しています。パルスプラズマ技術・低温エッチング(Cryogenic Etch)もリッジンパターン形成精度向上に貢献しています。
主要エッチング装置メーカーはLam Research(Kiyo・Flex系:世界最大シェア約40%)、東京エレクトロン(Tactras・Certas系)、Applied Materials(Centris・Producer Etch系)の3社が世界市場を寡占します。エッチング装置は成膜装置と並んで半導体製造装置市場の最大セグメントであり、先端ノード移行とともに装置単価・需要量ともに増加しています。