トランジスタの動作原理からFinFET・GAA構造への進化まで、「半導体基礎:トランジスタとICの基礎」で初学者向けに解説しています。MOSFETのスイッチング原理と集積回路への展開を合わせてご覧ください。
トランジスタ(Transistor)は、電気信号を増幅またはスイッチングする半導体素子で、現代の電子機器・コンピュータ・通信機器の根幹をなすデバイスです。1947年にベル研究所のShockley・Bardeen・Brattainによって発明され、2024年現在では1つのSoC(System on Chip)に数百億個ものトランジスタが集積されています。
半導体ICで最も広く使われるのは、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)です。ゲート電極に電圧を印加することでソース・ドレイン間のチャネルを開閉し、電流のオン/オフを制御します。CMOSロジックではNMOSとPMOSを組み合わせ、消費電力を抑えながら高速動作を実現しています。
微細化の歴史はムーアの法則として知られ、製造プロセス(ノード)が進むごとにトランジスタのサイズが縮小し、集積密度が向上します。平面型(プレーナー)MOSFETは22nmノードまで主流でしたが、短チャネル効果による性能低下が顕在化したため、14nm以降は立体構造のFinFETが採用されました。
さらに3nmノード以降では、ゲートがチャネルを四方向から完全に包囲するGAA(Gate-All-Around)ナノシート構造が採用されています。TSMCは2022年に3nm FinFETを量産開始し、Samsungは3nmでGAA(MBCFET)を導入しました。より小さなトランジスタにより、CPUやGPU、AIアクセラレータの性能向上が続いています。
製造には、ゲート絶縁膜(High-kゲート酸化膜:HfO₂など)のALD成膜、ゲート電極(メタルゲート:TiN、TaNなど)のPVD/CVD、ソース・ドレインのエピタキシャル成長、精密なエッチング(RIE・ALE)など多くの先端プロセスが組み合わされます。