洗浄装置(Cleaning Equipment)は、半導体ウェハ製造において、各プロセス工程間でウェハ表面のパーティクル・有機汚染・金属汚染・自然酸化膜などの汚染物質を除去するための装置の総称です。洗浄は半導体製造工程の中で最も頻度の高い工程の一つで、前工程(FEOL/BEOL)において露光前・エッチング後・CMP後など多くの箇所に挿入されます。
洗浄装置は主に枚葉式(Single Wafer)とバッチ式(Batch Type)に分類されます。枚葉式はウェハ1枚ずつをスピンチャック上で回転させながら薬液・超純水を噴射・供給する方式で、均一性が高く先端ロジック・メモリの主力です。バッチ式は複数枚(25〜50枚)を薬液槽に浸漬する方式で、コストが低くレガシーノードや特定工程で使われています。
代表的な洗浄薬液と目的:HF(フッ酸)による自然酸化膜除去(Pre-Gate Clean)、SC-1(NH₄OH/H₂O₂/H₂O)による有機物・パーティクル除去、SC-2(HCl/H₂O₂/H₂O)による金属汚染除去、オゾン水・希硫酸による有機物除去(SPM洗浄)などです。超音波(メガソニック:0.3〜3MHz)を組み合わせることでパーティクル除去効率が向上します。
先端ノード(3nm以下)では、パターンの微細化に伴い洗浄による「パターン倒れ(Pattern Collapse)」が問題になっています。表面張力による力がパターンを倒す現象で、IPA(イソプロパノール)蒸気乾燥・超臨界乾燥(SC-CO₂乾燥)・疎水化処理などの対策技術が採用されています。
洗浄装置の主要メーカーはSCREENホールディングス(SU-3200・SFG系:枚葉洗浄で世界トップシェア)、東京エレクトロン(TEL:CELLESTA系)、SEMES(韓国:Samsung Electro-Mechanics子会社)が主要3社で、後に LAM(SABRE系)なども参入しています。洗浄は歩留まり・プロセス品質に直結する重要工程として、装置の高性能化・自動化が続いています。