RCA洗浄は、1960年代に米RCA社のWerner Kernらが開発した、シリコンウェハの標準的な湿式洗浄プロセスです。開発から半世紀以上が経過した現在でも、先端ファブを含む世界中の半導体製造ラインで基礎的な洗浄手法として広く採用されています。
洗浄は主に2つのステップで構成されます。SC-1(Standard Clean 1)はアンモニア水(NH₄OH)・過酸化水素水(H₂O₂)・超純水の混合液(APM液)を70〜80℃程度に加熱して使用し、有機汚染物やパーティクル(微細なゴミ)を除去します。SC-2(Standard Clean 2)は塩酸(HCl)・過酸化水素水・超純水の混合液(HPM液)を使用し、アルカリ金属や重金属などの金属汚染を溶解除去します。
多くの場合、SC-1・SC-2の前後にHF希釈液(DHF)によるSiO₂自然酸化膜の除去ステップを組み合わせます。これにより、有機物・パーティクル・金属・酸化膜の4種類の汚染を体系的にクリーニングする一連のシーケンスが完成します。
現代の先端ファブでは、このRCA洗浄をベースに各社が独自の洗浄液組成・温度・処理時間・メガソニック(超音波)などを最適化したプロセスを運用しています。枚葉式(シングルウェハ)洗浄装置の普及により、バッチ式と比べて洗浄均一性の向上やクロスコンタミネーション(交差汚染)の低減が実現されています。
洗浄装置の主要メーカーはSCREENホールディングス(枚葉洗浄で世界トップシェア)、東京エレクトロン(TEL)、SEMES(韓国)などです。特に3nm以下の先端プロセスでは、洗浄工程が歩留まりに与える影響が大きく、洗浄技術の重要性はますます高まっています。