GLOSSARY

CMPスラリーとは

CMP Slurry
最終更新:2026-08-25材料CMP装置

定義・解説

CMPスラリー(CMP Slurry)は、化学機械研磨(CMP)プロセスで研磨パッドとともにウェハ表面の平坦化に使われる研磨液です。ナノメートルサイズの砥粒(研磨粒子)と化学薬剤の精密な混合物で構成され、機械的な研磨(砥粒によるスクラッチ研磨)と化学的な溶解(薬剤による材料の軟化・溶解)の相乗効果でウェハ表面を超平坦化します。

CMPスラリーの主要成分は、(1)研磨粒子(砥粒):シリカ(SiO₂)・セリア(CeO₂)・アルミナ(Al₂O₃)などのナノ粒子(粒径10〜100nm程度)、(2)化学薬剤:pH調整剤(酸・アルカリ)・酸化剤(H₂O₂など)・錯化剤・界面活性剤・腐食防止剤などです。各材料・用途に合わせてスラリー組成が精密に最適化されています。

CMPスラリーの種類は研磨対象材料によって大きく異なります。酸化膜(SiO₂)CMP用スラリーはセリア粒子+アルカリ系薬液が一般的で、選択比(SiO₂対SiN)が高いものが求められます。銅(Cu)CMP用スラリーはシリカ粒子+H₂O₂+腐食防止剤(BTA:ベンゾトリアゾール)の組み合わせで、高い研磨速度と低いディッシング・エロージョンの両立が課題です。タングステン(W)CMP用スラリーはアルミナ粒子+酸化剤系です。

先端ノード(5nm以下)では、研磨対象が多様化・複雑化しており、スラリーへの要求も高度化しています。High-k/メタルゲートCMPではHfO₂・TiN・TaなどをSiO₂・SiNに対して選択的に研磨するスラリーが必要です。また、研磨後の表面粗さ(Ra<0.1nm)・ディッシング(<5nm)・ナノスクラッチの管理が歩留まりに直結します。

CMPスラリー市場の主要メーカーはEntegris(Cabot Microelectronics買収後、世界最大シェア)、CMC Materials(Inpriaと合併)、昭和電工マテリアルズ(日立化成)、Fujimi Incorporated(フジミインコーポレーテッド)、AGC(旧旭硝子)などです。使用済みスラリーの廃液処理・リサイクルも環境・コスト面で重要なテーマです。

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