前工程は「ウェハ一枚の上にチップの回路を作り込む」フェーズです。装置は多工程で直列に使われ、欠陥・寸法・膜厚の管理が後工程よりも集約的に要求されます。
前工程装置(Front-End Equipment)は、シリコンウェハ上にトランジスタや配線などの集積回路構造を作り込む「前工程(Front-End-of-Line:FEOL/BEOL)」で使用される装置の総称です。半導体製造装置市場の主要セグメントを占め、露光・エッチング・成膜・洗浄・検査・計測など多様な装置カテゴリを含みます。
主な前工程装置カテゴリは以下の通りです。露光装置(リソグラフィ装置)はウェハにフォトレジストを塗布後、マスクのパターンを光(EUV/DUV)で転写します(ASML、Nikon、Canonが製造)。エッチング装置はレジストパターンをマスクに使ってシリコン・絶縁膜・金属を選択的に削ります(Lam Research、東京エレクトロン、Applied Materials)。成膜装置はCVD・PVD・ALDで薄膜を堆積します(Applied Materials、Lam Research、ASM International)。
洗浄装置はプロセス間のウェハ汚染除去に使われ(SCREENホールディングス、東京エレクトロン)、検査装置はパターン欠陥・パーティクルを検出します(KLA、Applied Materials、日立ハイテク)。計測装置は膜厚・線幅(CD)・重ね合わせ(オーバーレイ)などのパラメータを測定します(KLA、日立ハイテク、Nanometrics)。イオン注入装置はドーパントをウェハに注入します(Axcelis、Applied Materials)。
前工程は数百〜千以上もの工程ステップが連続するため、各装置の稼働率・精度・スループットが全体のコストと品質に大きく影響します。APC(Advanced Process Control)システムを通じて各工程のプロセスデータが収集・フィードバックされ、製造全体の品質管理が行われます。
市場規模はApplied Materials・Lam Research・東京エレクトロン・ASML・KLAの上位5社が世界の前工程装置市場の約70%以上を占める寡占構造です。先端ノード(3nm以下)への移行に伴い、EUVリソグラフィやALD成膜など高付加価値装置の需要が急増しており、前工程装置市場全体の拡大が続いています。