DUVは長年の運用実績と装置バリエーションが豊富で、成熟ノードから一部の先端層まで幅広く使われます。EUVとの棲み分けはノード・レイヤー・コストで変化します。
DUV露光装置(Deep Ultraviolet Lithography Equipment)は、深紫外線(Deep UV)を光源とする縮小投影露光装置です。現在の半導体製造における最も広く使われる露光技術で、KrFエキシマーレーザー(波長248nm)とArFエキシマーレーザー(波長193nm)の2種類が主流です。ArF液浸露光装置(ArFi)は多重露光技術と組み合わせることで5〜7nmノードまでの量産を支えました。
KrF露光装置(248nm)はロジックの90〜65nmノード、DRAM・NAND Flashの一部の層に今も使われています。ArF露光装置(193nm)はドライ式(193nm/ドライ:90nm→45nmノード)と液浸式(ArFi:45nm以下)があります。液浸露光(ArFi)は投影レンズとウェハの間を超純水(屈折率約1.44)で満たすことで実効的な波長を短縮(≒134nm相当)し、高い開口数(NA≤1.35)と解像度を実現します。
ArFi露光装置は現在も先端ロジック・メモリ製造の主力であり、EUV露光では対応できない一部の層(厚い膜のパターン、Cost効率優先の層)で引き続き使われています。また、SADP(自己整合ダブルパターニング)・SAQP(クワドラプルパターニング)などの多重パターニング技術と組み合わせることで、ArFiの解像力を超えた微細パターンを形成します。
DUV露光装置の主要メーカーはASML(TWINSCAN NXE/NXT系:ArFi市場で約80%のシェア)、Nikon(NSR-S631E系ArFi)、Canon(FPA-8300EX6a系)です。ASMLがEUV・DUV双方で圧倒的市場地位を持ちます。
DUV露光装置はEUV装置(1台150〜200億円)と比べてはるかに低コスト(1台20〜50億円程度)のため、EUV導入が困難なレガシーノードや中国の半導体ファブ向けに需要が継続しています。米国の対中輸出規制(EUV・ArFi装置の輸出制限)により、Nikon・Canonの古いKrF/i線装置が中国市場で再評価されるなど地政学的影響も大きいカテゴリです。