露光はフォトリソグラフィの中核で、設計データをウェハ上のレジストパターンとして現物化するステップです。光源波長と露光装置構成(EUV/DUV/液浸等)が、到達できる最小寸法と工程コストに直結します。
露光装置(Lithography Equipment)は、半導体製造においてフォトマスクに描かれた回路パターンを光(または電子ビーム)でウェハ上のフォトレジストに転写するプロセスを実行する装置です。半導体の「設計」を「物理的なパターン」に変換する工程を担う最重要装置であり、解像度(転写できる最小パターン寸法)が製造ノードの上限を規定します。
主要な露光方式は使用する光源によって分類されます。DUV(深紫外線)露光装置はArFエキシマーレーザー(波長193nm)を光源とし、液浸法(ArFi)と多重露光(SADP/SAQP)を組み合わせることで7〜5nmノードまでの量産に対応してきました。EUV(極端紫外線)露光装置はASML製のみで、波長13.5nmという極めて短い光を使い、3nm以降の先端ロジックの量産に不可欠です。
露光装置の基本構成は、光源(レーザー)、照明光学系(光源の整形)、レチクルステージ(マスク保持・走査)、投影光学系(縮小レンズ:DUV、EUVは反射鏡)、ウェハステージ(nm以下の精度で移動)から成ります。露光解像度はR = k₁×λ/NAで表され(λ:波長、NA:開口数)、NAの大型化・k₁係数の低減(OPC・SMO等のRET技術)が解像度向上の手段です。
EUV露光装置はASMLが唯一の量産サプライヤーで、1台あたり約1億〜1.5億ユーロ(約150〜200億円)という高価格と、装置の複雑さ・大型さから半導体産業で最も象徴的な装置となっています。High-NA EUV(開口数0.55、解像度2nm以下対応)の量産投入が2024〜2025年に始まっており、2nm以下のノードに適用されます。
主要メーカーはASML(EUV:独占、DUV:圧倒的シェア)、Nikon(DUV:ArFiおよびi線ステッパー)、Canon(DUV i線・KrF・ナノインプリント)です。露光装置は半導体製造装置の中で最も高単価の装置であり、ASMLはEUV装置一台売るだけで数百億円の売上を計上します。