GLOSSARY

PVDとは

Physical Vapor Deposition
最終更新:2026-08-12PVD装置成膜装置

定義・解説

PVD(Physical Vapor Deposition/物理気相成長)は、蒸発・スパッタリングなどの物理的プロセスによって固体材料を気化し、ウェハ表面に薄膜を堆積させる成膜技術の総称です。化学反応を利用するCVD(化学気相成長)とは異なり、材料の物理的な状態変化(固体→気体→固体)を利用するため、高純度な金属膜の形成に適しています。

主な手法は2種類です。スパッタリングは、アルゴンイオンをターゲット材料に衝突させて原子を弾き飛ばし、ウェハ上に堆積させます。現在の半導体製造ではマグネトロンスパッタリングが主流で、金属配線・バリアメタル・シード層の形成に広く使われます。真空蒸着(Evaporation)は、材料を電子ビームや抵抗加熱で蒸発させる手法で、太陽電池や化合物半導体デバイスの製造に用いられます。

半導体製造でのPVDの主な用途は、銅ダマシン配線プロセスにおけるTaN/Taバリアメタルと銅シード層の形成、アルミニウム配線、コンタクト材料のチタン・窒化チタン(Ti/TiN)、ゲートメタルなどです。バリアメタルとシード層は薄くて均一な成膜が求められ、装置の精密な制御が不可欠です。

PVDの利点は、低温(室温〜数百℃)での成膜が可能な点と膜純度の高さです。しかし、ステップカバレッジ(深い穴・溝の内壁への均一な成膜)はCVDやALDに劣ります。このため、微細なビアやトレンチへの充填にはCVD/ALDタングステンや電解メッキ銅が使われ、PVDはバリア・シード層に限定される傾向があります。

先端ノードでは、イオナイズドPVD(i-PVD)やHigh Power Impulse Magnetron Sputtering(HiPIMS)などの高指向性スパッタ技術が採用されています。これにより、高アスペクト比の構造内部へのバリアメタル被覆性を向上させています。主要装置メーカーはApplied Materials(Endura系)が圧倒的シェアを持ちます。

関連するデータ・ツール

計算ツール圧力・真空度の単位換算ツール(Torr・Pa・mbar)

よくある質問(FAQ)

PVDとは何ですか?
固体ターゲット材を物理的に飛ばしてウェハに堆積させる成膜技術です。スパッタリングや蒸着が代表で、金属配線やバリア膜に使われます。
PVDとCVDの違いは?
PVDは物理的な成膜で低温・高純度、CVDは化学反応で段差被覆に優れます。配線金属はPVD、絶縁膜はCVDが多く使われます。
スパッタリングとは?
プラズマでイオン化したガスをターゲットに衝突させ、はじき出された原子をウェハに堆積する代表的なPVD方式です。

設備の製造メーカー

Applied Materials米国

世界最大の半導体製造装置サプライヤー。成膜、除去、改質、分析の包括的な製品ポートフォリオで、ウェーハ製造の全工…

企業詳細を見る →
ULVAC(アルバック)日本

真空技術を核に、スパッタ・CVD・蒸着・エッチング・測定装置を手がける日本の総合真空機器メーカー。半導体に加え…

企業詳細を見る →
カート・J・レスカー(Kurt J. Lesker)米国

真空機器・PVD(物理気相成長)スパッタ装置の専業メーカー。真空チャンバー・スパッタターゲット材料から装置まで…

企業詳細を見る →

関連カテゴリ

PVD装置
成膜装置

関連用語

成膜とは →CVDとは →スパッタリングとは →エレクトロマイグレーションとは →クライオポンプとは →ターボ分子ポンプ(TMP)とは →

同じトピックの用語

成膜(CVD/PVD/ALD) のトピックで関連する用語です。

CVD(化学気相成長)とは →ALDとは →ALD(原子層堆積)とは →エピタキシー(エピ成長)とは →

同じトピックの企業

Lam Research米国東京エレクトロン(TEL)日本ジュソンエンジニアリング(Jusung Engineering)韓国オックスフォード・インストゥルメンツGBCVDエクイップメント(CVD Equipment Corporation)米国

比較・違いを学ぶ

CVDとPVDの違い(成膜プロセス比較)
CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)は気相の化学反応で薄膜を堆積し、PVD(Physical Vapor Depositi
ALDとCVDの違い(原子層成膜 vs 化学気相成膜)
CVD(Chemical Vapor Deposition)は反応ガスを同時供給して連続的に成膜するのに対し、ALD(Atomic Layer Depositi
PECVDとLPCVDの違い(プラズマCVD vs 熱CVD)
PECVDとLPCVDはどちらもCVD(化学気相成長)の一方式ですが、活性化エネルギーの源泉が根本的に異なります。PECVD(Plasma Enhanced C
ALDとPVDの違い(原子層成膜 vs スパッタ成膜)
ALD(Atomic Layer Deposition:原子層堆積)とPVD(Physical Vapor Deposition:物理気相成長)は、どちらも半導
MOCVDとMBEの違い(化合物半導体エピタキシー比較)
MOCVD(Metal-Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長)はGaN LED・パワーHEMT・HBT・レーザー
← 用語集に戻る