GLOSSARY

パワー半導体とは

Power Semiconductor
最終更新:2026-08-17パワー半導体

定義・解説

パワー半導体の基礎(SiC・GaNの特徴・EVへの展開)は「半導体基礎:半導体の種類」で解説しています。Siとの比較表や用途別の使い分けも合わせてご覧ください。

半導体基礎(入門記事シリーズ)→

パワー半導体(Power Semiconductor)は、電力の変換・制御・整流を行うために設計された半導体デバイスの総称です。ロジックIC(信号処理)と異なり、大電流・高電圧・高温環境下での動作を前提とし、電気自動車(EV)のインバーター、産業用モーター制御、スイッチング電源、太陽光発電のパワーコンディショナーなど、社会インフラの電力変換に不可欠な存在です。

主要なパワー半導体デバイスには、MOSFET(金属酸化膜電界効果トランジスタ)、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)、SBD(ショットキーバリアダイオード)があります。シリコン(Si)ベースのIGBTは長年EV・鉄道・産業機器の主力デバイスでしたが、炭化ケイ素(SiC)MOSFETの実用化により、スイッチング損失の大幅低減と高温動作が可能になりました。

SiC(炭化ケイ素)はシリコンの約10倍の絶縁破壊電界と高熱伝導率を持ち、高耐圧・高速スイッチング・高温動作を同時に実現します。テスラがModel 3のメインインバーターにSiC MOSFETを採用して以降、EV向けSiCデバイス需要が急増しています。Wolfspeed、STMicroelectronics、Infineon、Rohmが主要メーカーです。

GaN(窒化ガリウム)は高周波・高出力特性に優れ、スマートフォンの急速充電アダプター(GaN充電器)や5G基地局の電力増幅器、データセンターの電源モジュールへの採用が拡大しています。GaN Systems(Infineonが買収)、VisIC、EPC(Efficient Power Conversion)などが専業メーカーとして知られています。

パワー半導体の製造は、通常のCMOSロジックとは異なる専用プロセスが必要です。SiCウェハ(サブストレート)の製造コストが高く、エピタキシャル成長(MOCVD)の精度が歩留まりに直結します。製造装置では、Veeco(エピ装置)、Axcelis Technologies(イオン注入)、Applied Materials(成膜・エッチング)などが主要サプライヤーです。

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データウェハサイズ変遷と用途の対応表

よくある質問(FAQ)

パワー半導体とは何ですか?
電力の変換・制御(整流・インバータ・電圧変換)を担う半導体です。MOSFET・IGBT・SiC/GaNデバイスなどがあり、省エネに直結します。
パワー半導体はどこで使われますか?
EV・産業モーター・電源・再生可能エネルギー・家電など、電力を扱うあらゆる機器です。脱炭素・電動化で需要が拡大しています。
SiC・GaNパワー半導体の利点は?
従来のSiより電力損失が小さく高温・高周波で動作でき、機器の小型・高効率化が可能です。EVや高効率電源で採用が進んでいます。

設備の製造メーカー

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デバイスの製造メーカー

TSMC(台湾積体電路製造)台湾

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比較・違いを学ぶ

SiCとGaN パワー半導体の違い
SiC(炭化ケイ素)とGaN(窒化ガリウム)はともにシリコンを超えるワイドバンドギャップ半導体ですが、得意な電圧域・周波数帯・用途が異なります。SiCは高耐圧・
SiC MOSFETとIGBTの違い(EV・パワーエレクトロニクス比較)
IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)は1990年代から産業用インバーター・鉄道・EV駆動系に広く採用されてきたSiパワ
MOCVDとMBEの違い(化合物半導体エピタキシー比較)
MOCVD(Metal-Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長)はGaN LED・パワーHEMT・HBT・レーザー
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