膜厚計測(Thickness Metrology)は、半導体製造においてウェハ上に形成された薄膜の厚さを精密に測定する計測技術です。成膜・CMP・エッチングなどの各工程の後に実施し、設計値に対する膜厚の均一性・精度を確認することで、プロセスの品質管理と装置制御へのフィードバックに使われます。
主な計測方式は光学式が中心です。分光エリプソメトリー(Spectroscopic Ellipsometry:SE)は、偏光した光の反射偏光状態の変化から膜厚・屈折率・消衰係数を同時に高精度測定できる最も一般的な手法です。反射率分光法(Reflectometry)は波長依存の反射スペクトルを解析し、単層・多層膜の膜厚を算出します。
X線反射率法(XRR:X-Ray Reflectometry)は、数nm以下の超薄膜(ALDゲート絶縁膜など)の膜厚・密度・界面粗さの評価に使われます。X線蛍光法(XRF)は金属薄膜(バリアメタルや銅シード層)の組成・膜厚評価に適しています。電子顕微鏡(TEM断面観察)は破壊分析ですが、nm以下の超高分解能での絶対値確認に使われます。
ウェハ全面の膜厚マッピング(面内均一性)の評価にはマルチポイント測定が行われ、測定点数は49〜500点以上です。先端ロジック(3nm以下)では膜厚公差が±0.1nm(1Å)レベルで要求されるものも存在し、計測装置の精度・再現性・スループットへの要求が年々厳しくなっています。
主要計測装置メーカーはKLA(Aleris系エリプソメータ・反射率計が市場トップシェア)、Onto Innovation(旧Nanometrics+Rudolph Technologies、Atlas系)、日立ハイテク、Applied Materialsなどです。インラインでの全数計測とAPC(先進プロセス制御)との連携が、歩留まり向上の鍵となっています。