最終更新 2026-10-07

GAAとは(Gate-All-Around)

Gate-All-Around
目次8項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 紛らわしい言葉の切り分け
  4. よくある質問
  5. 関連する製品
  6. 関連用語
  7. 比較・違いを学ぶ
  8. 出典・参考資料

定義・解説

GAA(Gate-All-Around)は、トランジスタのゲート電極がチャネル(電流路)を四方向(全周)から包囲する立体的なトランジスタ構造です。FinFETがチャネルを三方向から囲む「フィン型」であるのに対し、GAAではシリコンやSiGe等の超薄い「ナノシート」または「ナノワイヤー」状のチャネルをゲートが完全に取り囲みます。ゲートの制御性が飛躍的に向上するため、FinFETで深刻化する短チャネル効果(漏れ電流・電流制御の低下)を物理的に解決できます。

Samsungは2022年に世界で初めて3nmノードにGAA構造(MBCFET:Multi-Bridge Channel FET)を採用した製品の量産を開始しました。TSMCは2nmノードでGAA(N2)の量産を計画しており、IntelもIntel 20A/18AでRibbon FETとして採用予定です。各社のGAA実装は構造の細部(ナノシートの幅・スタック数)や製造アプローチに差があります。

GAA製造の核心プロセスは、Si/SiGe交互積層膜のエピタキシャル成長から始まります。リソグラフィ・エッチングでフィン形状を形成後、SiGeを選択的に除去(Release Etch)してSiナノシートを「宙吊り」状態にし、そこにHigh-kゲート絶縁膜(HfO₂)とメタルゲートをALDで均一に被覆します。この「Inner Spacer」形成やSiGe選択除去の制御精度がプロセス難易度の最大のポイントです。

設計・製造上の課題として、ナノシートの均一な積層(Stacking uniformity)、ゲートメタル充填(Gate fill)のボイドレス化、ソース・ドレインのコンタクト低抵抗化、Inner Spacerの形状制御などが挙げられます。これらにはALD・ALE(原子層エッチング)・選択エピタキシャル成長など最先端プロセスの組み合わせが不可欠です。

装置サプライヤーとしては、Si/SiGe積層エピにApplied Materials・ASM International、ゲートALDにASM International・Lam Research・Applied Materials、SiGe選択除去エッチングにLam Research・東京エレクトロンなどが深く関与しています。GAA世代の装置需要は先端ロジック市場の成長と直結しており、各社の戦略製品となっています。

図解

トランジスタ構造ごとのゲートが囲む面の数(プレーナ・ダブルゲート・FinFET・GAA)
トランジスタの進化は、ゲートでチャネルを囲む面を増やしてきた歴史。

紛らわしい言葉の切り分け

GAAとナノシート・MBCFET・RibbonFET。GAAはゲートがチャネルを全周から囲む構造の総称です。量産で使われているのは板状のチャネルを積むナノシート型で、SamsungはMBCFET、IntelはRibbonFETという自社の名前で呼んでいます。

GAAとFinFET。FinFETはチャネルを3面から、GAAは4面から囲みます。GAAはチャネルの幅を設計で変えられるため、駆動電流と消費電力の調整幅も広がります。 比較記事 →

GAAとCFET。CFETはGAAの次の世代の構造として研究されているもので、nMOSとpMOSのトランジスタを縦に積み重ねて、セルの面積をさらに縮めます。 比較記事 →

関連するデータ・ツール

データ半導体の主要学会・展示会一覧計算・換算ツールトランジスタ密度(MTr/mm²)計算ツール

よくある質問(FAQ)

GAAとは何ですか?
チャネルの全周をゲートで囲むトランジスタ構造(Gate-All-Around)です。FinFETを超える静電制御で、2nm世代以降の主役です。
GAAとFinFETの違いは?
FinFETは3面、GAAは全周をゲートで囲みます。GAAはリーク電流をさらに抑え、ナノシート構造で駆動電流も調整できます。
GAAを採用するメーカーは?
サムスンが3nmで先行採用し、TSMCは2nm(N2)、IntelはIntel 18A(RibbonFET)でGAAを導入します。

この用語に関連する製品

型番は各社の公式製品ページで確認したものです。出典のリンクは各製品ページに載せています。

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Selective EtchLam Research・ドライ洗浄装置
SpectraFilm™ F10KLA・膜厚計測装置
Atlas® VOnto Innovation・光学式寸法測定装置(OCD)
Nova PRISMノヴァ・メジャリング・インスツルメンツ(Nova)・光学式寸法測定装置(OCD)
Sym3™ Z Magnum™ EtchApplied Materials・シリコンエッチャー
SpectraShape™ 12kKLA・光学式寸法測定装置(OCD)
Atlas® G6Onto Innovation・光学式寸法測定装置(OCD)
Producer® Selectra® EtchApplied Materials・酸化膜エッチャー
29xx シリーズKLA・光学式ウェーハ検査装置
Centura™ Prime™ EpiApplied Materials・エピタキシャル成長装置
VeritySEM® 20 CD MetrologyApplied Materials・CD-SEM

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デバイスの製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. Applied Materials「Centris® Sym3® Y Etch 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  2. Lam Research「Selective Etch 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  3. KLA「SpectraFilm™ F10 製品ページ」(2026/10/07 確認)