FinFETとは、チャネル部分を薄い「フィン(ひれ)」状の突起として立体的に形成し、ゲート電極が三方向からチャネルを囲む立体型トランジスタ構造です。2011年にIntelが22nmプロセスで初めて量産を開始し、従来の平面型(プレーナー型)MOSFETに代わる主流構造となりました。
FinFETの最大の利点は、ゲートがチャネルを三方向から囲む(Tri-gate構造)ことで漏れ電流(リーク電流)を大幅に抑制できる点です。微細化が進む14nm以下では短チャネル効果による電流漏れが深刻になりますが、FinFETはフィンの幅を薄くすることでこれを物理的に解決します。消費電力とパフォーマンスの両立が可能になり、スマートフォン・サーバー向けSoCで広く採用されています。
TSMC・Samsung・Intelはそれぞれ7nm・5nm世代でFinFETを採用。3nm以降ではGAA(Gate-All-Around)ナノシート構造への移行が進んでいますが、FinFETは5nm・7nm・10nmの量産ノードで依然として広く使用されています。製造ではサイドウォールスペーサーのエッチバック形成や、フィン高さの精密なエッチング制御が不可欠です。