オクテット則(オクテットそく)とは、原子は最外殻電子(価電子)が8個になると化学的に安定する、という化学の経験則です。八隅子則とも呼ばれ、シリコンなどの半導体が共有結合で結晶を作る仕組みや、ドーピングによる電気伝導の制御を理解する基礎となります。
シリコン原子は価電子を4個持ち、単独では8個に足りません。そこで隣接する4つのシリコン原子と電子を共有し合うことで、見かけ上8個の価電子を確保して安定な結晶を作ります。これがシリコン結晶の共有結合ネットワークの基本です。
オクテット則はドーピングの理解にも使えます。価電子5個のリン(ドナー)をシリコンに加えると、8個の結合に使われずに余った1個の電子が自由電子となりn型になります。逆に価電子3個のホウ素(アクセプタ)では電子が1個足りず、正孔が生じてp型になります。オクテット則からのずれが、半導体のキャリアを生み出すと理解できます。