5nmプロセス(5nm Node)は、半導体の製造技術世代(ノード)の一つで、実際のトランジスタ最小寸法とは必ずしも一致しないものの、7nmノードの次に当たる先端製造技術を示す業界標準的な呼称です。TSMCは2020年にApple A14 Bionic向けに世界初の5nmプロセス(N5)の量産を開始し、Samsungも同年に5LPEプロセスの量産を始めました。
5nmプロセスではFinFET(フィン型トランジスタ)が引き続き採用されますが、フィンのピッチ・高さ・幅が7nmより微細化されています。EUVリソグラフィ(ASML製)の採用層数が増え(TSMC N5では>10層でEUV使用)、多重露光(SADP/SAQP)との組み合わせでパターン密度を向上させました。ゲートピッチはTSMC N5で約51nm(N7比較で約25%縮小)に達します。
5nmプロセスの主な特長として、同面積比較で7nmよりも約80%のロジック密度向上(TSMC発表)、同性能での約30%の消費電力削減、または同消費電力での約15%の性能向上があります。これらの改善はスマートフォンSoC(Apple A14/A15、Qualcomm Snapdragon 888)の性能飛躍に大きく貢献しました。
5nmプロセスの改良版として、TSMC N5P(2021年:N5比10-15%電力削減)・N4(2022年:N5比6%密度向上)・N4P・N4Xなどが派生展開されました。Samsungも5LPE→5LPP→4LPP→4LPEとロードマップを進めました。これら「5nmファミリー」は業界でも有数の大量生産ノードとなっています。
5nmプロセス製造に使われる主要装置として、EUVリソグラフィにASML(TWINSCAN NXE:3400C)、ゲートALD成膜にASM International(Polygon ALD)・Applied Materials、精密エッチングにLam Research(Kiyo)・東京エレクトロン、欠陥検査にKLA(2920系)などが中心的役割を果たしています。