トップ/用語集/MOCVD
GLOSSARY

MOCVDとは

Metal-Organic Chemical Vapor Deposition
最終更新:2026-04-22成膜装置

定義・解説

MOCVD(Metal-Organic Chemical Vapor Deposition/有機金属化学気相成長)は、有機金属化合物(トリメチルガリウムTMGa、トリメチルアルミニウムTMAl、ジメチルヒドラジンなど)と水素化物(NH₃、AsH₃、PH₃など)を原料ガスとして使用し、基板(ウェハ)上にIII-V族化合物半導体(GaN・GaAs・InP・AlGaInPなど)の高品質なエピタキシャル薄膜を成長させるCVD技術の一種です。

MOCVDは、LED(発光ダイオード)・レーザーダイオード・太陽電池・高周波デバイス(HEMT)など光・電力・通信デバイスの製造に不可欠な技術です。反応炉(リアクター)内に基板を置き、原料ガスを精密に供給して高温(600〜1100℃程度)で熱分解反応を起こし、1原子層ずつ制御された高品質な結晶薄膜を形成します。

LED製造では、InGaN量子井戸(青色・緑色LED)やAlInGaP(赤色・橙色LED)のエピタキシャル層をMOCVDで成長させます。GaNパワーデバイスでは、GaN-on-Si・GaN-on-SiCウェハ上に高電子移動度トランジスタ(HEMT)構造のAlGaN/GaNエピ膜をMOCVDで形成します。5G通信用GaAs・InP系高周波デバイス(HBT・HEMT)の量産にもMOCVDが使われます。

MOCVD装置の主要仕様として、基板枚数(プラネタリー型や高速回転ディスク型で複数枚を同時処理)、温度均一性(エピ膜の層厚・組成均一性に直結)、ガス流量制御(MFC:質量流量計の精度)、反応炉形状(Vertical/Horizontal)などが性能を決定します。大型反応炉(300mmウェハ相当面積以上)では、量産効率と膜厚均一性のバランスが装置設計の鍵です。

主要MOCVD装置メーカーはVeeco Instruments(EPIK700・PROPEL系:GaN LED/パワー向けで最大シェア)とAIXTRON(AIX G5+C・CRIUS系:GaN・GaAs・HBT向けに強い)が世界市場をほぼ二分しています。LED市場の成熟とGaNパワーデバイス市場の急成長を受け、パワー・RF向けMOCVD装置需要が増加しています。

設備の製造メーカー

Veeco Instruments米国

MOCVD・MBE・ALDなど薄膜エピタキシャル成長装置の専業メーカー。LED、化合物半導体、先端ロジック向け…

企業詳細を見る →

関連カテゴリ

成膜装置

関連用語

CVD装置とは →エピタキシー(エピ成長)とは →化合物半導体とは →ALD装置とは →
← 用語集に戻る