チップレット(Chiplet)とは、特定の機能(CPU・GPU・メモリコントローラー・I-O等)を担うように設計・製造した小型の半導体ダイです。1つの大型モノリシックチップではなく、機能別に分割した複数のチップレットをパッケージ内で接続して1つのプロセッサとして動作させます。各チップレットを最適な製造プロセスで作れるため、コスト・歩留まり・設計柔軟性で有利です。
ポイント
チップレットとSoCの違い
SoC(System on Chip)はCPU・GPU・メモリ・I-Oなどを1枚のシリコンダイに統合する従来の設計です。チップレットはこれらを機能別に分割して別々のダイとして製造し、パッケージ内で接続します。SoCは全機能を同一プロセスで製造するため大型ダイになり歩留まりが低下しますが、チップレットは各機能を最適なプロセスで小型ダイとして製造できるため歩留まりが高くなります。
AMDのチップレット戦略(EPYC・Ryzen)
AMDはチップレットのパイオニアです。EPYC(Zen 3/4)ではCCD(コアチップレット)とcIOD(I-Oダイ)に分割。CCDはTSMC 5nmで製造し、cIODはGLOBALFOUNDRIES 14nmで製造します。プロセッサとして最もコスト効率の高いプロセスを機能別に使い分けることで、Intelのモノリシック設計に対してコストと性能で競争力を発揮しました。
UCIe:チップレット間接続の業界標準
UCIe(Universal Chiplet Interconnect Express)は2022年にIntel・ARM・TSMC・Samsungなど主要企業が策定したチップレット間標準インターフェース規格です。物理レイヤーとプロトコルを標準化することで、異なるメーカーのチップレットを相互接続可能にします。PCIeのようにチップレットエコシステムを開放することが目標で、将来的にはサードパーティのチップレットを組み合わせたカスタムプロセッサが一般化すると予想されます。