最終更新 2026-10-10

先進パッケージングとは

Advanced Packaging

先進パッケージングとは、複数のダイを高密度・高精度に集積することで、単一チップでは達成できない性能・機能・コストを実現する後工程技術群の総称です。2.5Dインターポーザ(CoWoS・EMIB)、3D積層(Foveros・SoIC)、Fan-out WLPなどが代表例で、微細化の鈍化を補う手段としてAI半導体の性能を支えています。

目次8項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 紛らわしい言葉の切り分け
  4. よくある質問
  5. 設備の製造メーカー
  6. 関連用語
  7. 比較・違いを学ぶ
  8. 出典・参考資料

定義・解説

先進パッケージング(Advanced Packaging)はCoWoS・HBM積層・チップレット・ハイブリッドボンディング・Fan-out WLPなど、複数チップを高密度集積する後工程技術群の総称。AI GPU向けHBM需要が装置市場を急拡大させている。TSV形成装置・ハイブリッドボンダー・インターポーザー実装装置の主要メーカーと仕組みをわかりやすく解説。

先進パッケージング(Advanced Packaging)は、半導体チップをパッケージに組み込む「後工程」において、複数のダイを高密度・高精度に集積することで、単一チップでは実現困難な性能・機能・コストを達成する技術群の総称です。従来のワイヤーボンディング・リードフレームパッケージに代わり、3D積層・2.5Dインターポーザ・Fan-out WLPなどの革新的な実装技術が急速に普及しています。

主な先進パッケージング技術として、2.5D実装(シリコンインターポーザやRDLを介してチップ横並び接続)、3D IC(TSVで複数ダイを垂直積層)、Fan-out WLP(ウェハレベルで再配線し薄型化)、HBM(TSVでDRAMを垂直積層し広帯域を実現)、ハイブリッドボンディング(Copper-Copper直接接合、μmピッチ以下の超高密度接続)などがあります。

先進パッケージングが注目される背景には「More than Moore(ムーアの法則を超える集積化)」の潮流があります。トランジスタの微細化が物理限界に近づく中、3次元集積によって演算性能・メモリ帯域幅・消費電力効率を向上させるアプローチが主流になっています。AIサーバー向けのGPU(NVIDIA H100/B200)はHBMとのCoWoS実装、Intelのオムニパスアーキテクチャはチップレット+Foveros積層を採用しています。

ハイブリッドボンディング(Hybrid Bonding)はその中でも最先端技術で、銅電極同士を直接熱圧着で接合することでピッチ<10μm(従来はんだバンプでは>40μm)の超高密度接続を実現します。Sony IMX(BSI CIS)とロジック、Samsung HBM、TSMCのSoIC(System on IC)などで実用化が進んでいます。

先進パッケージング装置の主要サプライヤーは、ハイブリッドボンダーにBesi・ASMPT(ASMパシフィック)・東レエンジニアリング、ダイボンダーにASMパシフィック・Besi、ウェハ接合にEV Group・SUSS MicroTec、TSV形成にLam Research・Applied Materials、WLP対応成膜・露光装置に東京エレクトロン・Nikon・ABF基板に味の素などが関与しています。

図解

先進パッケージングの主な方式(2.5D・3D・ファンアウト・ハイブリッド接合・チップレット・光統合)
前工程と後工程の境目があいまいになりつつある。

紛らわしい言葉の切り分け

2.5D実装と3D IC実装。違いはチップを横に並べるか、縦に積むかです。2.5Dはインターポーザーの上に複数のダイを並べ、マイクロバンプでつなぎます。3D ICはTSVやハイブリッドボンディングでダイを積み重ね、接続密度をさらに上げますが、発熱が集中しやすくなります。 比較記事 →

関連するデータ・ツール

図解パッケージ構造の断面比較図(ワイヤボンド〜3D積層)計算・換算ツールチップ単価計算ツール(ウェハ価格 ÷ 良品数)計算・換算ツールHBM帯域幅計算ツール(GPUのメモリ帯域・容量)

よくある質問(FAQ)

先進パッケージングにはどんな種類がありますか?
シリコンインターポーザ上にダイを横並びにする2.5D(TSMC CoWoS、Intel EMIB)、ダイを縦に積む3D(TSMC SoIC、Intel Foveros)、基板を使わないファンアウトWLP(InFO、FOWLP/FOPLP)、そしてPoPやSiPなどがあります。
なぜ先進パッケージングが重要になっているのですか?
微細化によるトランジスタ性能の向上が鈍化し、コストも急上昇したため、チップを分割して最適に組み合わせるほうが性能とコストの両面で有利になったからです。またAI向けにはGPUとHBMを広帯域で結ぶ実装が不可欠で、その性能はパッケージ技術が決めます。
先進パッケージングの供給ボトルネックは何ですか?
AI需要の急拡大に対し、TSMCのCoWoS生産能力が長く逼迫してきました。シリコンインターポーザの製造能力、HBMの供給、そしてハイブリッドボンディング装置の台数が制約となり、AIアクセラレータの出荷数を実質的に決める要因になっています。

設備の製造メーカー

デバイスの製造メーカー

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出典・参考資料

  1. Synopsys「What is Advanced Semiconductor Packaging?」(2026/10/10 確認)