GLOSSARY

GaN(窒化ガリウム)とは

Gallium Nitride (GaN)
最終更新:2026-08-17前工程装置

定義・解説

GaN(窒化ガリウム、Gallium Nitride)は、ガリウム(Ga)と窒素(N)で構成されるIII-V族化合物半導体です。ワイドバンドギャップ(3.4eV)・高い絶縁破壊電界(3.3MV/cm)・高い電子飽和速度・高い熱的安定性という優れた特性を持ち、パワーデバイス・高周波デバイス・光デバイス(青色・紫色LED・レーザーダイオード)の材料として重要な役割を果たしています。

GaNパワーデバイスは、シリコンMOSFETと比べてスイッチング損失が大幅に小さく、高周波動作(数MHzまで)が可能です。GaN HEMTおよびGaN MOS-HEMTは、スマートフォン・ノートPCの急速充電アダプター(GaN充電器)、データセンターの電源モジュール(48Vアーキテクチャ向け)、太陽光発電パワーコンディショナーなどへの採用が急増しています。GaN Systems(Infineonが買収)、EPC(Efficient Power Conversion)、VisIC Technologiesが主要メーカーです。

高周波GaN(RF GaN)は、GaN-on-SiCやGaN-on-Siウェハ上に形成されたHEMT構造を持ち、5G基地局の電力増幅器(PA)・レーダー・防衛用電子機器で広く採用されています。2DEG(2次元電子ガス)による高電子移動度(>2000 cm²/V·s)が高周波・高出力を実現します。Wolfspeed(旧Cree)、Macom、Infineon、三菱電機が主要供給メーカーです。

GaN LEDはInGaN(インジウム窒化ガリウム)量子井戸構造から青色・緑色・白色光を発光し、高輝度LED照明・バックライト・ディスプレイの光源として不可欠です。1990年代の日亜化学工業(中村修二ら)による窒化ガリウム系青色LED発明はノーベル物理学賞(2014年)を受賞しており、技術的・社会的インパクトが大きい発明の一つです。

GaN製造にはMOCVD(有機金属気相成長)装置が不可欠で、Veeco InstrumentsとAIXTRONが主要メーカーです。GaN-on-Siウェハは大口径(200mm)化が進みコスト低減が期待されており、GaN-on-SiCはRF用途で高性能を維持しています。EV・データセンター・5G市場の成長に伴い、GaNデバイス市場は今後も高成長が見込まれています。

よくある質問(FAQ)

GaN(窒化ガリウム)とは何ですか?
バンドギャップが約3.4eVと広いワイドギャップ半導体です。高速・高効率・高耐圧で、急速充電器やパワーデバイス、青色LEDに使われます。
GaNとSiの違いは?
GaNはSiより高周波・高効率で動作し、電力損失が小さいです。小型・高効率の電源やEV用途で採用が拡大しています。
GaNはどこで使われますか?
スマホの急速充電器、データセンター電源、5G基地局のRF、EV、青色・白色LEDなど高周波・高効率が必要な分野です。

設備の製造メーカー

Infineon Technologiesドイツ

欧州最大の半導体メーカー。パワー半導体(IGBT・SiC MOSFET)・マイコン・セキュリティICで世界トッ…

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Veeco Instruments米国

MOCVD・MBE・ALDなど薄膜エピタキシャル成長装置の専業メーカー。LED、化合物半導体、先端ロジック向け…

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デバイスの製造メーカー

TSMC(台湾積体電路製造)台湾

世界最大の半導体ファウンドリ。3nm、5nm、7nmなど最先端プロセスノードで業界をリード。Apple、NVI…

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コヒレント(Coherent Corp.)米国

化合物半導体基板(SiC・GaAs)・レーザー光学部品を手掛けるグローバル大手メーカー。2022年にII-VI…

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日亜化学工業日本

青色LEDを世界で初めて実用化した化合物半導体デバイスメーカー。LED・半導体レーザーを中心に、照明・ディスプ…

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