マスク修正(Mask Repair)は、フォトマスク(レチクル)製造後に発見された欠陥を修正する技術および装置です。マスク欠陥にはパターンが過剰に残ったオペーク欠陥(Opaque Defect)と、パターンが欠けたクリア欠陥(Clear Defect)の2種類があり、それぞれ異なる修正手法が適用されます。マスク1枚の製造コストが数百万〜数千万円に達するため、修正技術は製造コスト管理の観点から極めて重要です。
主要技術は集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)を用いた方式です。オペーク欠陥はFIBスパッタリングで余分な材料を除去し、クリア欠陥はガスアシストFIB(有機金属ガスをFIBで分解析出)でマスク材料を局所的に堆積させ修正します。近年はFIBに加えてレーザー修正やEBIR(電子線誘起修正)も実用化されています。
EUVマスクの修正はArFマスクと比べて技術的難度が高く、Mo/Si多層膜反射層や吸収体(TaN)の選択的修正が必要です。位相シフトマスク(PSM)では位相条件の維持も求められます。主要装置メーカーはCarl Zeiss(MeRiT EVシリーズ)、Hitachi High-Techなどです。