トンネル効果(トンネルこうか)とは、電子などの微視的な粒子が、古典力学では越えられないはずのエネルギー障壁を、量子力学的な波動性によって一定の確率で通り抜ける現象です。障壁が薄いほど、また障壁が低いほどトンネル確率は高くなります。半導体デバイスでは有益にも有害にも働く重要な現象です。
トンネル効果を積極的に利用するデバイスには、ツェナーダイオード(ツェナー降伏)、トンネルダイオード、フラッシュメモリ(フローティングゲートへの電子注入・引き抜き)、トンネルFET(TFET)などがあります。特にフラッシュメモリの書き込み・消去は薄い酸化膜を通したトンネル電流に依存しています。
一方、微細化が進むとトンネル効果は有害なリーク電流の原因になります。ゲート酸化膜が数nm以下に薄くなると、ゲートを通したトンネルリーク電流が急増します。これを抑えるために、物理膜厚を厚くしつつ容量を確保できるHigh-k絶縁膜が導入されました。