ゲート酸化膜(ゲートさんかまく)とは、MOSFETのゲート電極とチャネル(半導体)の間に挟まれた絶縁膜のことです。ゲート絶縁膜とも呼ばれ、ゲート電圧で下のチャネルの導電性を制御しつつ、ゲートとチャネルの間に電流を流さない役割を担う、MOSトランジスタの心臓部です。
従来のゲート酸化膜は、シリコンを高温で酸化して形成する二酸化シリコン(SiO₂)が使われてきました。SiO₂はシリコンと良質な界面を作れるため長く主役でしたが、微細化でゲート酸化膜を薄くするとトンネルリーク電流が急増する問題に直面しました。
この問題を解決するために、45nm世代以降ではHigh-k(高誘電率)材料であるハフニウム酸化物(HfO₂)系のゲート絶縁膜が導入されました。High-k材料は物理膜厚を厚くしたまま容量(電気的な薄さ、EOT)を確保できるため、リーク電流を抑えつつゲート制御性を維持できます。現在はHigh-k絶縁膜とメタルゲートを組み合わせたHKMG構造が標準です。