禁止帯(バンドギャップ)とは、価電子帯の頂上と伝導帯の底の間に存在する、電子が取りえないエネルギー領域のことで、その幅を電子ボルト(eV)で表します。バンドギャップの大小が、物質が導体・半導体・絶縁体のどれになるかを決めます。
シリコンのバンドギャップは約1.1eV、ガリウムヒ素(GaAs)は約1.4eV、ワイドギャップ半導体のSiC(炭化ケイ素)は約3.3eV、GaN(窒化ガリウム)は約3.4eVです。バンドギャップが広いほど高温・高電圧に強く、パワー半導体や青色LEDに利用されます。また電子遷移の種類により直接遷移型と間接遷移型に分かれ、発光デバイスの可否を左右します。
バンドギャップには、電子のエネルギー遷移に運動量の変化を伴わない直接遷移型(GaAs、GaNなど)と、伴う間接遷移型(Si、Geなど)があります。直接遷移型は電子と正孔の再結合で効率よく光を放出するためLEDやレーザに使われ、間接遷移型は発光効率が低い代わりに集積回路の主材料となっています。
バンドギャップは温度が上がるとわずかに小さくなり、デバイス特性の温度依存性の一因になります。ワイドギャップ半導体(SiC約3.3eV、GaN約3.4eV)は高温・高電界に強く、絶縁破壊耐性が高いため、EV用インバータや高速充電器などのパワー半導体で急速に普及しています。