最終更新 2026-10-19

禁止帯とは(バンドギャップ)

Band Gap

禁止帯(バンドギャップ)とは、価電子帯の頂上と伝導帯の底の間にある、電子が取りえないエネルギー領域のことで、その幅を電子ボルト(eV)で表します。シリコンは約1.1eV、SiCは約3.26eV、GaNは約3.4eVで、この値の大小が導体・半導体・絶縁体の区別や、耐圧・動作温度・発光波長を決めます。

目次6項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 関連用語
  5. 比較・違いを学ぶ
  6. 出典・参考資料

定義・解説

禁止帯(バンドギャップ)とは、価電子帯の頂上と伝導帯の底の間に存在する、電子が取りえないエネルギー領域のことで、その幅を電子ボルト(eV)で表します。バンドギャップの大小が、物質が導体・半導体・絶縁体のどれになるかを決めます。

シリコンのバンドギャップは約1.1eV、ガリウムヒ素(GaAs)は約1.4eV、ワイドギャップ半導体のSiC(炭化ケイ素)は約3.3eV、GaN(窒化ガリウム)は約3.4eVです。バンドギャップが広いほど高温・高電圧に強く、パワー半導体や青色LEDに利用されます。また電子遷移の種類により直接遷移型と間接遷移型に分かれ、発光デバイスの可否を左右します。

バンドギャップには、電子のエネルギー遷移に運動量の変化を伴わない直接遷移型(GaAs、GaNなど)と、伴う間接遷移型(Si、Geなど)があります。直接遷移型は電子と正孔の再結合で効率よく光を放出するためLEDやレーザに使われ、間接遷移型は発光効率が低い代わりに集積回路の主材料となっています。

バンドギャップは温度が上がるとわずかに小さくなり、デバイス特性の温度依存性の一因になります。ワイドギャップ半導体(SiC約3.3eV、GaN約3.4eV)は高温・高電界に強く、絶縁破壊耐性が高いため、EV用インバータや高速充電器などのパワー半導体で急速に普及しています。

図解

バンドギャップの大きさによる金属・半導体・絶縁体の違いを示すエネルギーバンド図。金属はギャップなし、半導体はEg約1.1eV、絶縁体はEg5eV以上であることを比較。
バンドギャップ Eg の幅が材料の電気的性質を決める ─ 金属(ギャップなし)・半導体(約1.1eV)・絶縁体(5eV以上)

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この用語を扱う職種

設計・デバイス開発光半導体・シリコンフォトニクスエンジニア設計・デバイス開発化合物半導体エンジニア

よくある質問(FAQ)

バンドギャップの値は材料でどう違いますか?
シリコンは約1.1eV、ガリウムヒ素は約1.4eV、SiC(炭化ケイ素)は約3.3eV、GaN(窒化ガリウム)は約3.4eVです。広いほど高温・高電圧に強く、パワー半導体や青色LEDに使われます。
直接遷移型と間接遷移型の違いは何ですか?
直接遷移型(GaN・GaAs)は電子と正孔が効率よく再結合して光を出すためLED・レーザに向きます。間接遷移型(Si・Ge)は発光効率が低い一方、集積回路の主材料として使われます。
ワイドギャップ半導体とは何ですか?
SiCやGaNなどバンドギャップが広い半導体のことで、高温・高電界に強く絶縁破壊耐性が高いのが特徴です。EVのインバータや高効率電源など、電力を扱うパワー半導体分野で普及が進んでいます。

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出典・参考資料

  1. 東芝デバイス&ストレージ「1-2. エネルギーバンド図」(2026/10/10 確認)
  2. 立命館大学 藤野毅「半導体工学(4) エネルギー帯図」(2026/10/10 確認)