最終更新 2026-10-19

空乏層とは

Depletion Layer
目次6項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 関連用語
  5. 比較・違いを学ぶ
  6. 出典・参考資料

定義・解説

空乏層(くうぼうそう)とは、pn接合や金属-半導体接合の境界付近にできる、電子・正孔などの自由キャリアがほとんど存在しない領域のことです。空乏領域・空間電荷領域とも呼ばれ、ダイオードやトランジスタ、太陽電池など、あらゆる半導体デバイスの動作の中心となる構造です。

pn接合を作ると、n型側の電子とp型側の正孔が界面を越えて拡散し、互いに再結合して消滅します。その結果、界面付近にはキャリアが枯渇した空乏層が残り、n側にはプラスのドナーイオン、p側にはマイナスのアクセプタイオンが取り残されます。このイオンが作る電界が内蔵電位(電位障壁)となり、それ以上のキャリアの拡散を妨げて平衡状態になります。

空乏層の幅は印加電圧で変化します。逆方向電圧を加えると空乏層は広がり、順方向電圧では狭くなります。この可変性はバラクタ(可変容量)ダイオードやMOSキャパシタの動作原理であり、また空乏層幅の広がりが逆方向の耐圧やリーク電流、CMOSイメージセンサの感度などデバイス特性を左右します。

空乏層はエネルギーバンド図の上では、バンドが曲がっている領域として現れます。空乏層の両端のバンドの高低差が内蔵電位qVbi(シリコンで約0.6〜0.7V)に対応し、順・逆バイアスによる障壁の上下がダイオードの整流作用を生みます。

図解

pn接合の空乏層ができる過程(接合・拡散・再結合・イオン残留・電界)
空間電荷領域・空乏領域とも呼ぶ。

あわせて読みたい

エネルギーバンド図の読み方(pn接合の空乏層を図解)→pn接合とは(用語解説)→内蔵電位とは(用語解説)→

関連するデータ・ツール

計算・換算ツール空乏層幅・内蔵電位・接合容量 計算ツール

よくある質問(FAQ)

空乏層とは何ですか?
pn接合などの界面付近で、電子と正孔が拡散・再結合してキャリアがほとんど存在しなくなった領域です。取り残された不純物イオンが内蔵電位(電位障壁)を作り、キャリアのさらなる移動を妨げます。
空乏層は電圧でどう変化しますか?
逆方向電圧を加えると空乏層は広がり、順方向電圧では狭くなります。この幅の変化が、可変容量ダイオードやMOSキャパシタの動作、逆方向耐圧やリーク電流を左右します。
空乏層はバンド図でどう見えますか?
エネルギーバンド図ではバンドが曲がっている領域として現れます。両端のバンドの高低差が内蔵電位qVbi(Siで約0.6〜0.7V)に対応し、バイアスによる障壁の上下が整流作用を生みます。

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出典・参考資料

  1. HyperPhysics(ジョージア州立大学)「P-N Junction」(2026/10/10 確認)