電子親和力とは

Electron Affinity

最終更新:2026-10-07・製造プロセス|用語集のExcel・PDF版をダウンロード

定義・解説

電子親和力(でんししんわりょく)とは、半導体において伝導帯の底(Ec)から真空準位までのエネルギー差を指し、伝導帯の電子を真空中へ取り出すのに必要なエネルギーを表します。単位はeVで、記号χ(カイ)で表されることが多く、ヘテロ接合やMOS界面の設計に不可欠な物性値です。

異なる半導体を接合するヘテロ接合では、両材料の電子親和力とバンドギャップの差から、界面における伝導帯・価電子帯のバンド不連続(バンドオフセット)が決まります。これはHEMTや化合物半導体レーザ、太陽電池のバンド設計を左右します。

MOS構造では、半導体の電子親和力とゲート絶縁膜の電子親和力の差が、界面の障壁高さを決めます。High-k絶縁膜の選定では、リーク電流を抑えるために十分な伝導帯オフセットが得られるよう、電子親和力が重要な選択基準となります。

図解

電子親和力の定義と、仕事関数との違い・ヘテロ接合のバンドオフセット
価電子帯の段差は、バンドギャップの差と合わせて求める。

あわせて読みたい

エネルギーバンド図の読み方(図解)→仕事関数とは(用語解説)→バンドギャップとは(用語解説)→

関連カテゴリ

同じトピックの用語

半導体物理・結晶の基礎 のトピックで関連する用語です。

同じトピックの企業

信越化学工業日本SUMCO日本GlobalWafers(環球晶圓)台湾

比較・違いを学ぶ

SiCとシリコン(Si)の違い
シリコンは半導体産業の標準材料で、ロジックやメモリはもちろん、パワー半導体でもIGBTやMOSFETとして大量に使われています。そこに近年、EVの普及とともに採…
→
四探針法とホール効果測定の違い
どちらも半導体の電気特性を測る基本手法ですが、得られる情報の量が違います。四探針法は抵抗率という1つの値を素早く測れる一方、その値の内訳までは教えてくれません。…
→
イオン注入と熱拡散の違い(不純物導入プロセスの比較)
イオン注入(Ion Implantation)は不純物(ドーパント)をイオン化・加速して基板に物理的に打ち込む方法で、ドーズ量と加速エネルギーにより濃度と接合深…
→
← 用語集に戻る用語集をExcel・PDFで使う →