反転層(はんてんそう)とは、MOSFETのゲート絶縁膜直下の半導体表面に、ゲート電圧によって形成される、元の導電型とは反対のキャリアが集まった薄い導電層です。この反転層がソースとドレインを結ぶチャネルとなり、MOSトランジスタの電流が流れる通り道になります。
nチャネルMOSFETを例にとると、基板はp型ですが、ゲートに正の電圧を加えると表面に電子が引き寄せられます。ゲート電圧がしきい値電圧を超えると、表面のキャリアが正孔から電子へと反転し、電子の反転層(チャネル)が形成されて電流が流れ始めます。しきい値電圧とは、まさにこの反転層ができ始める電圧です。
反転層はゲート絶縁膜のごく近くの数nmの薄い層に形成されるため、その電子の状態は界面の品質に強く影響されます。界面準位や酸化膜の欠陥は反転層のキャリアを散乱・捕獲して移動度やしきい値を劣化させるため、良質なゲート酸化膜と界面制御がデバイス性能の鍵になります。