移動度(キャリア移動度)とは

Carrier Mobility

最終更新:2026-10-07・製造プロセス|用語集のExcel・PDF版をダウンロード

移動度(キャリア移動度)とは?

移動度(キャリア移動度)とは、半導体中で電子や正孔が電界によってどれだけ動きやすいかを表す物性値で、単位はcm²/V·sです。移動度が高いほどキャリアが速く走り、トランジスタの動作速度が上がります。シリコンでは電子のほうが正孔より約3倍速く、この差がnMOSとpMOSの駆動力の違いにつながります。

定義・解説

移動度(キャリア移動度、mobility)とは、半導体中で電子や正孔が電界によってどれだけ動きやすいかを表す物性値で、単位はcm²/V·sです。移動度が高いほどキャリアが速く動き、トランジスタの動作速度が向上します。

シリコンの電子移動度は約1,400cm²/V·s、正孔は約450cm²/V·sで、電子の方が高速です。化合物半導体のGaAsやGaN、ゲルマニウムチャネルは移動度が高く、高周波・高速デバイスに用いられます。歪みシリコン技術やHEMTは、移動度を高めてデバイス性能を向上させる代表例です。

移動度は不純物による散乱や格子振動(フォノン)による散乱で低下し、ドーピング濃度が高いほど、また温度が高いほど小さくなる傾向があります。デバイス設計では、この移動度の低下をいかに抑えるかが性能向上の鍵となります。

移動度を高める代表的な技術が、シリコン結晶に歪みを与えてバンド構造を変える歪みシリコンや、ヘテロ接合で電子を不純物から分離するHEMTです。ゲルマニウムチャネルやIII-V族化合物半導体をチャネルに使う研究も、移動度向上による高速化を狙っています。

図解

キャリア移動度を下げる3つの散乱(イオン化不純物散乱・格子散乱・表面ラフネス散乱)とマティーセンの規則
移動度は散乱で決まる。不純物濃度・温度・縦方向の電界がそれぞれ別の散乱を強め、もっとも強い散乱が移動度を支配する。

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この用語を扱う職種

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よくある質問(FAQ)

移動度とは何ですか?▾
半導体中の電子や正孔が電界によってどれだけ速く動けるかを表す物性値で、単位はcm²/V·sです。移動度が高いほどキャリアが速く動き、デバイスが高速化します。
電子と正孔ではどちらの移動度が高いですか?▾
一般に電子の方が高く、シリコンでは電子が約1,400、正孔が約450cm²/V·sです。このためn型トランジスタはp型より高速に動作します。
移動度を高めるにはどうしますか?▾
歪みシリコン技術や、ヘテロ接合を使うHEMT、移動度の高い化合物半導体・ゲルマニウムチャネルの採用などで高めます。これらは高速・高周波デバイスの性能向上に使われます。

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