エッジプレースメントエラー(EPE:Edge Placement Error)とは、設計レイアウト上のパターンエッジ(輪郭線)が、実際に製造されたウェーハ上のパターンエッジからずれる誤差量を表す指標であり、先端半導体製造における重要な品質管理パラメータである。EPEは複数の誤差要因(CDU、OVL、LER等)の総合的な影響を表し、EPEが設計マージンを超えると回路ショートや断線などの致命欠陥を引き起こす。
EPEの主な誤差要因として、①CDU(Critical Dimension Uniformity:寸法均一性誤差)、②Overlay(オーバーレイ:層間位置合わせ誤差)、③LER(Line Edge Roughness:ラインエッジ粗さ)、④パターン変形(OPC/RETの限界に起因する形状誤差)が挙げられる。EPEはこれらの誤差の二乗和平方根(RSS)として統計的に表現されることが多く、3σ値での管理が一般的である。
EPEバジェット管理とは、設計マージン(プロセスウィンドウ)をEPEの各誤差要因に割り振るプロセス設計手法である。2nm世代では設計マージン全体が4〜5nm程度しかなく、EPEバジェットのうち1nm以下をオーバーレイ精度に割り当てるなど、極めて厳格な管理が必要となる。ASMLの最新EUVスキャナはオーバーレイ誤差1.5nm以下を達成している。
EPEはリソグラフィーだけでなく、エッチング・CMP・イオン注入など多くの工程で蓄積される。このため、各工程でのインラインEPE計測と工程間の誤差伝播モデル化(Error Budget Analysis)が重要となる。KLAのOverlay計測システムやCD-SEM計測システムがEPE管理の中核を担う。
次世代のEPE管理として、機械学習を活用したウェーハ全面のEPEマッピング(Virtual Metrology)と、それに基づくリアルタイムプロセス補正(Feedback/Feedforward Control)が研究されている。また、マルチパターニング(SAQP等)からEUV単一露光への移行によって誤差要因のシンプル化も進んでいる。Onto Innovation・KLAが計測ソリューションを展開し、SynopsysがEPE対応OPCツールを提供している。