パッケージ基板(Package Substrate)とは、半導体チップとプリント基板(PCB)の間に位置する多層配線基板であり、チップの微細ピッチ端子をPCBの比較的粗いピッチ端子に変換(ファンアウト)するインタフェース部品である。電気信号の伝達、電源分配、機械的保護の機能を担い、フリップチップBGA(Ball Grid Array)パッケージに広く使用されている。
パッケージ基板の主要材料はBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂やABF(Ajinomoto Build-up Film)フィルムであり、絶縁層と銅配線層を交互に積層した多層構造を持つ。先端AIチップ向けでは、配線層数12〜20層以上、配線幅/間隔2μm/2μm以下が要求されるようになり、基板の製造難度は急上昇している。ABFフィルムはAjinomoto Fine-Technoが独占的に供給しており、サプライチェーン上の重要部材となっている。
パッケージ基板産業は台湾のUniMicron・ASE、日本のIbiden・新光電気工業などが主要プレイヤーである。AI・データセンター向けの需要急増により、2024〜2025年にかけてABF基板の供給不足が深刻化し、各社が設備投資を加速している。高密度基板(FC-BGA)の製造歩留まり向上と量産能力拡大が業界全体の課題となっている。
先進パッケージング(CoWoS、FOPLP、チップレット)の普及に伴い、パッケージ基板に求められる仕様も変化している。2.5Dパッケージングではシリコンインターポーザーとパッケージ基板が組み合わさるため、両者の熱膨張率(CTE)差による反り(Warpage)の管理が重要となる。有機系基板とシリコン基板の中間的な熱特性を持つ「ガラス基板(Glass Core Substrate)」が次世代選択肢として注目されている。
パッケージ基板のロードマップは、2025年以降の2μm以下の超微細配線形成(mSAP:Modified Semi-Additive Process)技術と、ガラスコア基板への移行が焦点となっている。IntelはGlass Core Substrateを2030年代の主流基板技術と位置づけ開発を推進している。ASMPTのフリップチップボンダーや実装装置がこのエコシステムを支えている。