最終更新 2026-10-19

RTLとは(レジスタ転送レベル)

Register Transfer Level

RTL(レジスタ転送レベル)とは、デジタル回路の動作を「レジスタ間のデータ転送と、その間に挿入される組み合わせ論理」として記述する抽象度のことです。Verilog HDLやVHDLを使い、クロックごとにどのデータがどのレジスタへ移るかを表現します。現代のLSI設計はこのRTL記述から始まり、論理合成でゲート回路に変換されます。

目次6項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 関連用語
  5. 比較・違いを学ぶ
  6. 出典・参考資料

定義・解説

RTL(Register Transfer Level:レジスタ転送レベル)は、デジタル回路の動作を「レジスタ間でのデータ転送と、その間に挿入される組み合わせ論理」として記述する抽象度のことです。Verilog HDLやVHDLといったハードウェア記述言語(HDL)を用いて、クロックごとにどのデータがどのレジスタへ移るかを表現します。

LSIの設計フローでは、仕様 → RTL記述 → 論理合成 → ゲートレベルネットリスト → 配置配線(P&R) → レイアウト、という流れの上流に位置します。RTLは回路の機能を決定づける最重要の入力であり、ここでの記述品質が面積・速度・消費電力・検証のしやすさを大きく左右します。

RTLは論理シミュレータで機能検証され、形式的検証(フォーマル検証)で仕様との等価性が確認されます。設計の早い段階でバグを潰すほど手戻りコストが下がるため、RTL段階での十分な検証が重視されます。

RTLはIPコア(再利用可能な設計資産)の流通単位でもあり、SynopsysやCadence、Siemens EDAといったEDAベンダのツール群で合成・検証されます。hdlやlogic-synthesis、eda、ip-coreの各項とあわせて読むと、チップ設計フロー全体の中でのRTLの役割が明確になります。

図解

設計の抽象度におけるRTL(レジスタ転送レベル)の位置づけ
現代のLSI設計は、このRTLの記述から始まる。

この用語を扱う職種

設計・デバイス開発デジタル回路設計エンジニア設計・デバイス開発検証エンジニア(論理検証)

よくある質問(FAQ)

RTLとゲートレベルはどう違いますか?
RTLは「クロックごとにどのレジスタへどんなデータが移るか」という動作を記述する抽象度で、人が読み書きする設計の主戦場です。ゲートレベルはAND・OR・フリップフロップといった具体的な論理素子の接続(ネットリスト)で、論理合成によってRTLから自動生成されます。
RTL設計ではどんな言語を使いますか?
Verilog HDL、VHDL、そして両者を拡張したSystemVerilogが主流です。近年は検証にSystemVerilog(UVM)が広く使われ、高位合成(HLS)でC/C++からRTLを生成するアプローチも用途によって併用されます。
RTL設計で気をつけることは何ですか?
合成可能な記述(synthesizable subset)に収めること、クロックドメインをまたぐ信号に適切な同期化を入れること、そしてリセットの扱いを統一することです。シミュレーションで動いても合成できない、あるいは実チップで誤動作する記述を避けることが重要です。

デバイスの製造メーカー

Synopsys米国

世界最大のEDA(電子設計自動化)ソフトウェア企業。論理合成・配置配線・物理検証・TCAD・IPライセンスを提…

Cadence Design Systems米国

EDAとIPの世界2大メーカーの一つ。アナログ・カスタム・デジタルIC設計、PCB・システム解析、AI駆動のJ…

Siemens EDA(旧Mentor Graphics)米国

シーメンスのEDA部門(旧Mentor Graphics)。PCBレイアウト・IC物理設計・機能検証・DFM(…

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出典・参考資料

  1. Synopsys「What is Register-Transfer-Level (RTL) Design?」(2026/10/10 確認)