最終更新 2026-10-19

故障カバレッジとは

Fault Coverage

故障カバレッジとは、想定した故障モデルのうちテストパターンで検出できる割合を示す指標です。縮退故障カバレッジ99%といった形で表しますが、あくまで「想定モデルの範囲内」の数字であり、タイミング不良やリーク不良は別モデルで補う必要があります。カバレッジは市場流出量(DPPM)に直結し、車載用途では最後の0.1%を詰める投資が正当化されます。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

故障カバレッジ(テストカバレッジ)とは、想定した故障モデルのうち、そのテストパターンで検出できる割合を示す指標です。たとえば縮退故障カバレッジ99%とは、回路中に定義しうる縮退故障のうち99%を検出できることを意味します。テスト品質を定量化する最も基本的な数値です。

重要なのは、カバレッジが「想定した故障モデルの範囲内での話」だという点です。縮退故障カバレッジが100%でも、タイミング起因の不良や微小なリーク不良は検出できません。そのため実務では、縮退故障・遷移故障・ブリッジ故障といった複数のモデルに対してそれぞれカバレッジを確保し、さらにIDDQテストやSLT(システムレベルテスト)を組み合わせて漏れを塞ぎます。

カバレッジの数字は出荷品質に直結します。検出できなかった不良は「テストエスケープ」として市場に流出し、DPPM(100万個あたりの不良数)として現れます。おおまかには、カバレッジを99%から99.9%へ上げれば流出は1桁下がるという関係にあり、車載のように極めて低いDPPMが要求される用途ではカバレッジの最後の0.1%を詰める投資が正当化されます。

カバレッジを上げるにはコストがかかります。パターン数が増えてテスト時間が延び、DFT回路の追加でチップ面積と消費電力が増えます。テスト不能な故障(回路構造上、外部から制御も観測もできない箇所)を減らすには設計そのものの見直しが必要です。どこまで詰めるかは、製品の要求品質とテストコストのバランスで決まります。

設計段階ではEDAツールがカバレッジを算出し、目標に達しない場合はDFT構造の追加やテストポイント挿入といった対策を打ちます。カバレッジは設計品質のレビュー項目でもあり、目標値の未達はテープアウトを止める判断材料になります。

図解

故障カバレッジの種類と意味・限界・品質との関係
複数の故障モデルを組み合わせて、見逃しを減らす。

関連するデータ・ツール

計算・換算ツール故障検出率と出荷不良率(DPPM)計算ツール

この用語を扱う職種

設計・デバイス開発DFTエンジニア(テスト容易化設計)

よくある質問(FAQ)

カバレッジ99%なら安心ですか?
その故障モデルの範囲内での話です。縮退故障カバレッジが100%でも、タイミング起因の不良や微小リーク不良は検出できません。実務では遷移故障・ブリッジ故障など複数モデルでカバレッジを確保し、IDDQテストやSLTを組み合わせて漏れを塞ぎます。
カバレッジとDPPMの関係は?
検出できなかった不良がテストエスケープとして流出し、DPPMになります。おおまかにはカバレッジを99%から99.9%へ上げれば流出は1桁下がる関係にあり、車載のように極めて低いDPPMが要る用途では最後の0.1%を詰める投資が正当化されます。

設備の製造メーカー

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出典・参考資料

  1. Synopsys「What is Design for Test (DFT)?」(2026/10/10 確認)