最終更新 2026-10-19

IPコアとは(半導体IP)

Semiconductor IP Core
目次5項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 設備の製造メーカー
  4. 関連用語
  5. 比較・違いを学ぶ

定義・解説

IPコア(Intellectual Property Core:半導体IP)とは、再利用可能な設計済み回路ブロックの総称です。CPU・GPU・DSP・メモリコントローラ・インターフェース(USB・PCIe・DDR)など特定機能の回路をRTLまたはGDSII形式で提供し、ファブレス企業がSoC設計に組み込みます。ARM(CPU IP)・Synopsys(I/O・メモリIP)・Cadence(検証IP)が世界市場を主導しており、Appleの全iPhoneチップはARMアーキテクチャIPをベースに設計されています。

IPコアはソフトIP・ファームIP・ハードIPの3種類に分類されます。ソフトIPはRTLソースコードで提供され最も柔軟に設計に統合できます。ファームIPは論理合成後のネットリスト形式で提供されます。ハードIPは特定プロセスに最適化されたGDSIIレイアウトで提供され、最高の性能・面積効率を発揮します。先端ノード向けPHY(物理インターフェース)IPは1ライセンス数十億円にも達する高価値資産です。

RISC-Vの台頭がIPコア市場を変えています。RISC-V(リスクファイブ)はオープンソースの命令セットアーキテクチャ(ISA)で、ARMのようなライセンス料なしにカスタムCPUコアを設計できます。SiFive・Andes Technology・T-Headが主要RISC-V IPサプライヤーで、中国の国産チップ設計でも広く採用されています。AI推論アクセラレータにはRISC-V制御コアが多数組み込まれており、RISC-V IPの需要は年率30%以上で成長中です。

先端パッケージング時代のIPコアはUCIe(ユニバーサルチップレット接続規格)対応が必要になっています。チップレット設計では複数のダイにまたがってIPを分散配置するため、ダイ間インターフェース(Die-to-Die I/O)のIPがCoWoSやFoveros設計の重要要素となっています。Synopsys・Cadence・Arterisなどがチップレット向けNetwork-on-Chip(NoC)IPを提供し、設計の複雑性管理を支援しています。

IPコアのビジネスモデルはロイヤリティ収入が中心で、設計勝訴(Design win)のたびに出荷チップ数×単価のロイヤリティが発生します。ARMはスマートフォン・PC・AIサーバー向けCPU IPのロイヤリティで年間30億ドル超の売上を持ちます。IPコアの品質・信頼性・先端PDK対応スピードが採用を左右するため、EDAとの緊密な連携・TSMC先端プロセスへの早期対応がIPベンダーの競争力の核心です。

図解

SoCに組み込まれるIPコアの種類(CPU/GPU・インターフェース・メモリ・アナログ)
すべてを自社で設計せず、IPを組み合わせることで開発期間を短くする。

この用語を扱う職種

設計・デバイス開発デジタル回路設計エンジニア設計・デバイス開発検証エンジニア(論理検証)設計・デバイス開発SoCアーキテクト事業・サプライチェーン半導体の知財(特許)エンジニア

設備の製造メーカー

デバイスの製造メーカー

TSMC(台湾積体電路製造)台湾

世界最大の半導体ファウンドリ。3nm、5nm、7nmなど最先端プロセスノードで業界をリード。Apple、NVI…

Samsung Electronics(サムスン電子)韓国

世界最大のメモリメーカーであり、先端ロジックファウンドリでもあるIDM。DRAM・NANDフラッシュで市場をリ…

Intel米国

世界最大のCPUメーカー。従来はIDMとして自社プロセスでCPUを製造してきたが、Intel Foundry …

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