価電子帯とは、半導体や絶縁体において、絶対零度で電子が完全に満たされている最もエネルギーの高いバンドです。ここにある電子は原子に束縛されているためそのままでは電流を運びませんが、熱や光でエネルギーを得た電子が伝導帯へ抜けると、後に残った空席が正孔として電気伝導に寄与します。
目次6項目
- 定義・解説
- 図解
- よくある質問
- 関連用語
- 比較・違いを学ぶ
- 出典・参考資料
定義・解説
価電子帯(かでんしたい)とは、半導体や絶縁体において、絶対零度で電子が完全に満たされている最もエネルギーの高いバンド(電子のエネルギー帯)のことです。価電子帯の電子は原子に束縛されており、通常はそのままでは電気伝導に寄与しません。
価電子帯の電子が禁止帯(バンドギャップ)を越えて伝導帯へ励起されると、価電子帯には電子の抜け穴である正孔(ホール)が生じます。この正孔が移動することでp型半導体の電気伝導が起こります。価電子帯の頂上と伝導帯の底のエネルギー差がバンドギャップであり、半導体の電気的特性を決定づけます。
価電子帯の電子は化学結合に使われており、外部から十分なエネルギーを受け取らない限り移動できません。シリコンでは各原子が4個の価電子を共有結合に使い、価電子帯を満たしています。温度が上がると一部の電子が熱エネルギーで伝導帯へ飛び移り、後に正孔を残します。
p型半導体ではアクセプタ不純物によって価電子帯のすぐ上に準位ができ、価電子帯の電子がそこへ移ることで多数の正孔が生まれます。この正孔が価電子帯内を移動して電流を運ぶため、価電子帯の状態を理解することはp型動作の理解に直結します。
図解
バンド図における価電子帯 ─ 電子が抜けた空席(正孔)が価電子帯内を動いて電流を運ぶよくある質問(FAQ)
価電子帯とは何ですか?
絶対零度で電子が完全に満たされている、最もエネルギーの高い電子のバンドです。価電子帯の電子は通常は移動できませんが、伝導帯へ励起されると正孔を残し、p型半導体の電気伝導の原因になります。
価電子帯と伝導帯のエネルギー差は何ですか?
この差が禁止帯(バンドギャップ)で、半導体の電気的性質を決めます。シリコンでは約1.1eVです。差が小さいほど電子が伝導帯へ移りやすく、電気を流しやすくなります。
正孔はどこにできますか?
価電子帯の電子が抜けた場所に正孔(電子の空席)ができます。正孔は正の電荷を持つように振る舞い、価電子帯内を移動して電流を運びます。
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