バンド理論とは、固体中の電子が取りうるエネルギーが帯(バンド)状に分布することを説明する量子力学の理論で、物質が導体・半導体・絶縁体のどれになるかを決める基礎概念です。電子が詰まった価電子帯、自由に動ける伝導帯、その間の電子が存在できない禁止帯(バンドギャップ)の3つで構成されます。
目次6項目
- 定義・解説
- 図解
- よくある質問
- 関連用語
- 比較・違いを学ぶ
- 出典・参考資料
定義・解説
バンド理論(エネルギーバンド理論)とは、固体中の電子が取りうるエネルギーが「帯(バンド)」状に分布することを説明する量子力学の理論で、物質が導体・半導体・絶縁体のいずれになるかを決める基礎概念です。電子が詰まった価電子帯と、自由に動ける伝導帯、その間に電子が存在できない禁止帯(バンドギャップ)の3つで構成されます。
半導体はこの禁止帯の幅(バンドギャップ)が比較的狭く、熱・光・不純物の添加(ドーピング)によって価電子帯の電子が伝導帯へ移動し、電気を流せるようになります。シリコンのバンドギャップは約1.1eVで、この絶妙な大きさがトランジスタのスイッチング動作を可能にしています。バンド理論は半導体デバイスの動作原理を理解する出発点です。
バンド理論では、物質は禁止帯(バンドギャップ)の有無と幅で3種類に分類されます。導体は価電子帯と伝導帯が重なって常に電子が動け、絶縁体はバンドギャップが数eV以上と広く電子が伝導帯に上がれません。半導体はその中間で、バンドギャップが約1eVと適度なため、条件によって電気を流したり止めたりできます。
伝導帯の電子と価電子帯の正孔という2種類のキャリアでバンド間を橋渡しできることが、半導体をエレクトロニクスの主役にしています。ドーピングでフェルミ準位(電子の占有確率が1/2となるエネルギー)を制御すればn型・p型を作り分けられ、pn接合やトランジスタの動作もすべてバンド図で説明できます。
図解
バンド構造の比較 ─ 金属はバンドが重なるため常に導電し、半導体は狭いギャップを電子が越えられ、絶縁体は広すぎて越えられない
半導体のエネルギーバンド図の基本形 ─ Ec・Ev・EF の位置関係と熱励起によるキャリア生成よくある質問(FAQ)
バンド理論で導体・半導体・絶縁体はどう区別されますか?
禁止帯(バンドギャップ)の幅で区別します。導体は価電子帯と伝導帯が重なりバンドギャップがほぼゼロ、絶縁体は数eV以上と広く電子が動けません。半導体はその中間で約1eVのため、熱・光・ドーピングで電気を流せるようになります。
価電子帯と伝導帯の違いは何ですか?
価電子帯は電子が原子に束縛されて満たされているバンド、伝導帯は電子が自由に動いて電流を運べる高エネルギーのバンドです。両者のエネルギー差がバンドギャップで、ここを電子が越えると自由電子と正孔が生じて電気が流れます。
なぜ半導体はバンド理論で説明できるのですか?
半導体の電気伝導やドーピングによるn型・p型の作り分け、pn接合・トランジスタの動作はすべて、電子が価電子帯と伝導帯の間を移動する様子としてバンド図で統一的に説明できるためです。
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