バンド理論(エネルギーバンド理論)とは、固体中の電子が取りうるエネルギーが「帯(バンド)」状に分布することを説明する量子力学の理論で、物質が導体・半導体・絶縁体のいずれになるかを決める基礎概念です。電子が詰まった価電子帯と、自由に動ける伝導帯、その間に電子が存在できない禁止帯(バンドギャップ)の3つで構成されます。
半導体はこの禁止帯の幅(バンドギャップ)が比較的狭く、熱・光・不純物の添加(ドーピング)によって価電子帯の電子が伝導帯へ移動し、電気を流せるようになります。シリコンのバンドギャップは約1.1eVで、この絶妙な大きさがトランジスタのスイッチング動作を可能にしています。バンド理論は半導体デバイスの動作原理を理解する出発点です。
バンド理論では、物質は禁止帯(バンドギャップ)の有無と幅で3種類に分類されます。導体は価電子帯と伝導帯が重なって常に電子が動け、絶縁体はバンドギャップが数eV以上と広く電子が伝導帯に上がれません。半導体はその中間で、バンドギャップが約1eVと適度なため、条件によって電気を流したり止めたりできます。
伝導帯の電子と価電子帯の正孔という2種類のキャリアでバンド間を橋渡しできることが、半導体をエレクトロニクスの主役にしています。ドーピングでフェルミ準位(電子の占有確率が1/2となるエネルギー)を制御すればn型・p型を作り分けられ、pn接合やトランジスタの動作もすべてバンド図で説明できます。