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RISC-VとARMの違い(ライセンス・エコシステム・用途の比較)

ARMはスマートフォン・組み込み機器で圧倒的シェアを持つ命令セットアーキテクチャ(ISA)で、ARM Holdings社がライセンスを管理し利用にはロイヤリティ支払いが必要です。RISC-Vはカリフォルニア大学バークレー校発祥のオープンなISAで、ロイヤリティフリーで商用利用でき、中国・欧州・インドでARM依存からの脱却を目指す動きが加速しています。AI推論チップ・IoTマイコン・データセンター向けプロセッサでRISC-Vの実装が急増しています。

最終更新: 2026-08-02

結論:RISC-VARMの違いは?

RISC-VとARMの最大の違いは「命令セットがオープンか有償ライセンスか」です。RISC-VはRISC-V Internationalが管理する完全オープンなISAでロイヤリティフリー、標準拡張に加えカスタム命令も自由に追加できますが、エコシステムはARMに比べ発展途上です。ARMはARM Holdings社がIPライセンスを管理し、コアIPのライセンス料と量産ロイヤリティが必要な代わりに、成熟したツールチェーン・RTOS・SDKが揃っています。

比較表

RISC-VARM
RISC-VARM観点別比較
観点RISC-VARM
ISAのオープン性完全オープン(RISC-V International管理・無料)クローズド(ARM Holdings社がIPライセンス管理)
ライセンス費用ISA自体はロイヤリティフリーコアIPのライセンス料+量産ロイヤリティが必要
命令セットの拡張性標準拡張(IMAFD等)+カスタム拡張が自由に追加可能ARM標準命令セット+NEONなどの拡張(カスタム制限あり)
エコシステム成熟度急速に成長中だがARMに比べて発展途上成熟・豊富なツールチェーン・RTOS・SDK
コンパイラ・OS対応GCC・LLVM・Linuxカーネル・Androidは対応済み業界標準レベルの完全対応
セキュリティ機能TrustZone相当はなし(PolyPageなど独自実装が必要)TrustZoneによる安全実行環境が標準提供
主な採用事例SiFive・T-Head(Alibaba)・Imagination・RISC-V Rocket ChipApple Aシリーズ・Qualcomm Snapdragon・Cortex-Mシリーズ(IoT)
中国IT企業の動向Alibaba T-Head・Huawei・Baidu等が積極採用米国制裁リスクを意識しRISC-Vへのシフト加速

RISC-VがAIエッジ・IoTで選ばれる理由

AIエッジ推論チップでは、特定のニューラルネットワーク演算(行列演算・量子化推論)に最適化したカスタム命令(P拡張・V拡張)をRISC-Vに追加できることが大きな利点です。ARM Cortex-MはMCU向けに成熟していますが、カスタム命令追加にはARMの許可が必要で柔軟性に制限があります。SiFive社のIntelligence X280などのRISC-V AIコアは、DSP/ML拡張を自由に実装しAIoT向けに提案されています。

ARMがRISC-Vに簡単に置き換えられない理由

ARMのエコシステムの深さはRISC-Vが追いつくまでに時間がかかります。CMSIS(ARM組み込みソフトウェアスタンダード)・多数のRTOS(FreeRTOS・Zephyr等)・IAR/Keilなどの成熟IDEはすべてARM向けに最適化されており、既存の組み込みソフトウェア資産がそのまま使えます。スマートフォン向けではAndroid/iOSとも完全ARM最適化のためRISC-Vへの移行は現実的ではありません。RISC-Vの主戦場は新規設計の専用チップ・AI推論・中国市場となります。

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よくある質問

RISC-VはいつARMのシェアを超えますか?
スマートフォン・高性能PCでARMを超えるのは2030年代でも困難と見られています。ただしIoTマイコン・AIエッジ・中国市場・カスタムアクセラレータではRISC-Vのシェアが急増しており、2025〜2030年に出荷個数ベースでARMに匹敵する規模になるという予測もあります。
RISC-Vのチップをどのメーカーが製造できますか?
RISC-Vは命令セット(ISA)の仕様なので、TSMCでもSamsungでも任意のファウンドリで製造できます。SiFive・T-Head・Western Digital等がRISC-VコアIPを開発・使用し、TSMC等に製造委託しています。ARMのように「ARMが認定したコア」という制約がないのが特徴です。
Googleは将来AndroidをRISC-Vに対応しますか?
Googleは2023年にAndroidのRISC-V公式サポートを発表し、AndroidのRISC-Vへのポーティングを進めています。ただし完全なアプリエコシステム(NPU・GPU・DSP向けドライバ・NDKライブラリ)の整備には数年かかる見込みです。中長期的には中国製スマートフォン向けにRISC-V版Androidが展開される可能性があります。

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