SEMICONDUCTOR BASICS — 比較記事

トランスファーモールドとコンプレッションモールドの違い

半導体パッケージの封止(モールド)工程には、金型内にEMC(エポキシモールドコンパウンド)を注入するトランスファーモールドと、金型内にEMCを直接充填・加圧するコンプレッションモールドの2方式があります。従来はトランスファーモールドが主流でしたが、パッケージ薄型化・大面積化(ファンアウト・ウェハレベルパッケージング)の普及によりコンプレッション方式の採用が急増しています。

最終更新: 2026-08-02

結論:トランスファーモールドコンプレッションモールドの違いは?

トランスファーモールドとコンプレッションモールドの最大の違いは「EMCの供給方法」です。トランスファーモールドはタブレット状のEMCを溶融し、ランナー・ゲートを通じて金型キャビティに注入する方式で、QFP・BGA・QFNなど従来型パッケージが中心ですが、ゲート部の制約で0.5mm以下の薄型化が困難です。コンプレッションモールドは顆粒・液状EMCをキャビティに直接充填して上下の金型で加圧するため、ゲート跡がなくFOWLP・FOPLP・薄型BGAに適します。

比較表

トランスファーモールドコンプレッションモールド
トランスファーモールドコンプレッションモールド観点別比較
観点トランスファーモールドコンプレッションモールド
成形原理EMCタブレットを溶融し、ランナー・ゲートを通じて金型キャビティに注入顆粒・液状EMCをキャビティに直接充填し、上下の金型で加圧成形
材料形態タブレット状固形EMCが主流顆粒状・液状・フィルム状のEMCに対応
主な適用パッケージQFP・BGA・QFN・リードフレームパッケージなど従来品が中心FOWLP(ファンアウトウェハレベル)・FOPLP(パネルレベル)・薄型BGA
薄型化対応ゲート部分の制約で薄型化(<0.5mm)が難しい直接加圧のためゲート跡がなく、より薄型パッケージに対応
大面積対応金型サイズに制約(個別パッケージ対応が基本)ウェハ全体・パネル全体を一括封止できる
EMC廃材ランナー・カルのEMC廃材が発生廃材が少ない(充填量を制御しやすい)
スループット高い(量産ラインで確立された技術)改善が進んでいるが大面積処理には時間がかかる場合も
装置コスト成熟した技術で装置コストは安定新型装置のため初期投資が高い傾向

FOWLP/FOPLPでコンプレッションモールドが主役になった理由

ファンアウトウェハレベルパッケージング(FOWLP)では、チップをウェハ全面に配置してEMCで一括封止し、再配線層(RDL)を形成します。この工程ではウェハ(直径300mm)またはパネル(600×600mm以上)を丸ごと封止するため、トランスファーモールドのゲート注入方式では均一な充填が困難です。コンプレッションモールドは均一加圧により大面積・薄型封止を実現し、TSMCのInFO・AMKORのSWIFT・ASEのFoCoS等の先端パッケージ技術の基盤となっています。

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よくある質問

半導体の封止(モールド)に使われる材料は何ですか?
EMC(エポキシモールドコンパウンド:Epoxy Mold Compound)が主流です。エポキシ樹脂に充填材(シリカ)・硬化剤・難燃剤などを配合した熱硬化性材料です。低線膨張係数・低吸湿性・高絶縁性が求められ、パッケージの信頼性(熱衝撃・落下耐性)を大きく左右します。
トランスファーモールドとコンプレッションモールドはどちらが主流ですか?
従来品(QFP・BGA・QFN等)では今もトランスファーモールドが主流です。一方、ファンアウト型(FOWLP/FOPLP)や薄型パッケージ向けには、コンプレッションモールドの採用が急速に拡大しています。用途・パッケージ構造によって使い分けられています。
封止装置の主要メーカーはどこですか?
TOWA(東和)・Apic Yamada(アピック山田)が封止専業メーカーとして有名です。また、BESI(BEセミコンダクター)・ASMPT(アズムプト)も封止装置を手がけています。Nordsonはディスペンス・充填装置分野で関連技術を提供しています。

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