結論:300mmウェーハ(12インチ)と200mmウェーハ(8インチ)の違いは?
300mmウェーハと200mmウェーハの最大の違いは「1枚あたりの面積とチップ取得数」です。300mm(12インチ)は200mmの2.25倍の面積を持ち、同一ダイサイズなら約2.4〜2.5倍のチップが取れるため、大量生産ではチップあたりコストが下がり先端ロジック・DRAM・NANDに使われます。200mm(8インチ)はウェーハ単価と設備コストが安く、パワー半導体・MEMS・アナログ・マイコンなど成熟プロセスの領域で現役です。
比較表
| 観点 | 300mmウェーハ(12インチ) | 200mmウェーハ(8インチ) |
|---|---|---|
| ウェーハ面積比 | 基準(200mmの2.25倍の面積) | 300mmの約44%の面積 |
| チップ取得数(同一ダイサイズ) | 200mmより約2.4〜2.5倍多くのチップが取れる | 面積の分だけチップ数が少ない |
| ウェーハ単価(相対比) | 高い(材料・研磨コストが上昇) | 安い |
| チップあたりコスト(大量生産時) | 低い(チップ数が多いため) | 先端品では300mmに比べ割高になりやすい |
| 対応プロセスノード | 90nm以降の先端ノード・TSMC 2nm含む最先端 | 0.18μm〜45nm程度が主流(一部65nm) |
| 主要用途 | CPUoC・GPU・DRAM・NAND・先端ロジック全般 | パワー半導体・MEMS・RF・アナログ・マイコン・センサー |
| 新規ファブ投資額(概算) | 1兆円以上(月産10万枚規模) | 数千億円程度(月産5万枚規模) |
| 装置エコシステム | ASML EUV・最新DUVなど最先端装置が対応 | 成熟装置(中古市場あり)・新規調達のリードタイム問題 |
200mmウェーハ不足が半導体サプライチェーンを揺るがした理由
2020〜2022年の半導体不足において、自動車・産業機器向けのパワー半導体・マイコン・アナログICの多くが200mmファブで製造されていたため、深刻な供給不足が生じました。300mmほど大規模な投資が行われてこなかった200mmファブは増産対応が難しく、新規ファブの建設にも2〜3年かかることから、不足が長期化しました。この教訓から、ルネサス・STマイクロ・インフィニオンが200mmファブへの追加投資を加速しています。
パワー半導体でSiC・GaNが200mmウェーハへ移行する動き
SiC(炭化ケイ素)パワー半導体はかつて4インチ・6インチウェーハが主流でしたが、現在は8インチ(200mm)への移行が急速に進んでいます。Wolfspeed・STマイクロ・ローム・三菱電機が8インチSiCウェーハ対応ファブを構築中です。8インチ化によりチップ取得数が6インチ比で約78%増加し、コストを大幅に下げることができます。さらに将来的には12インチ(300mm)SiCウェーハへの移行も研究が進んでいます。