SEMICONDUCTOR BASICS — 比較記事

300mmウェーハと200mmウェーハの違い(コスト・用途・設備の比較)

半導体製造ウェーハの直径(インチ数)はチップの製造コストと適用用途を大きく左右します。300mm(12インチ)ウェーハは先端ロジック・DRAM・NANDの大量生産に使われ、面積が200mmの2.25倍あるためチップ取得数(Die Per Wafer)が増えてコストが下がります。200mm(8インチ)ウェーハはパワー半導体・MEMS・アナログ・マイコン・レーダー用途で現役で、設備コストの低さと成熟プロセスの安定性が強みです。

最終更新: 2026-08-02

結論:300mmウェーハ(12インチ)200mmウェーハ(8インチ)の違いは?

300mmウェーハと200mmウェーハの最大の違いは「1枚あたりの面積とチップ取得数」です。300mm(12インチ)は200mmの2.25倍の面積を持ち、同一ダイサイズなら約2.4〜2.5倍のチップが取れるため、大量生産ではチップあたりコストが下がり先端ロジック・DRAM・NANDに使われます。200mm(8インチ)はウェーハ単価と設備コストが安く、パワー半導体・MEMS・アナログ・マイコンなど成熟プロセスの領域で現役です。

比較表

300mmウェーハ(12インチ)200mmウェーハ(8インチ)
300mmウェーハ(12インチ)200mmウェーハ(8インチ)観点別比較
観点300mmウェーハ(12インチ)200mmウェーハ(8インチ)
ウェーハ面積比基準(200mmの2.25倍の面積)300mmの約44%の面積
チップ取得数(同一ダイサイズ)200mmより約2.4〜2.5倍多くのチップが取れる面積の分だけチップ数が少ない
ウェーハ単価(相対比)高い(材料・研磨コストが上昇)安い
チップあたりコスト(大量生産時)低い(チップ数が多いため)先端品では300mmに比べ割高になりやすい
対応プロセスノード90nm以降の先端ノード・TSMC 2nm含む最先端0.18μm〜45nm程度が主流(一部65nm)
主要用途CPUoC・GPU・DRAM・NAND・先端ロジック全般パワー半導体・MEMS・RF・アナログ・マイコン・センサー
新規ファブ投資額(概算)1兆円以上(月産10万枚規模)数千億円程度(月産5万枚規模)
装置エコシステムASML EUV・最新DUVなど最先端装置が対応成熟装置(中古市場あり)・新規調達のリードタイム問題

200mmウェーハ不足が半導体サプライチェーンを揺るがした理由

2020〜2022年の半導体不足において、自動車・産業機器向けのパワー半導体・マイコン・アナログICの多くが200mmファブで製造されていたため、深刻な供給不足が生じました。300mmほど大規模な投資が行われてこなかった200mmファブは増産対応が難しく、新規ファブの建設にも2〜3年かかることから、不足が長期化しました。この教訓から、ルネサス・STマイクロ・インフィニオンが200mmファブへの追加投資を加速しています。

パワー半導体でSiC・GaNが200mmウェーハへ移行する動き

SiC(炭化ケイ素)パワー半導体はかつて4インチ・6インチウェーハが主流でしたが、現在は8インチ(200mm)への移行が急速に進んでいます。Wolfspeed・STマイクロ・ローム・三菱電機が8インチSiCウェーハ対応ファブを構築中です。8インチ化によりチップ取得数が6インチ比で約78%増加し、コストを大幅に下げることができます。さらに将来的には12インチ(300mm)SiCウェーハへの移行も研究が進んでいます。

関連ページ

SiC vs GaN 比較
FinFET vs FD-SOI 比較
EUV vs DUV 比較
TSMC企業詳細
Samsung企業詳細
露光装置カテゴリ

よくある質問

なぜ450mmウェーハへの移行が進まないのですか?
2010年代前半にIntel・TSMC・Samsung・ASML等が450mm移行を検討しましたが、装置・ウェーハ材料の開発コストが膨大で投資回収の見込みが立たず、2015年頃に計画が事実上凍結されました。業界全体の同時投資が必要な性質からコンセンサスが得られず、300mmから450mmへの移行は現時点でも見通しが立っていません。
中古の200mm装置は今も購入できますか?
はい、中古の200mm半導体製造装置は活発な市場があります。ただし2021〜2023年の需要急増で中古装置も高騰し、入手困難になりました。200mmファブの新設では新規装置調達のリードタイムが3〜5年と長期化しており、成熟ノード半導体の安定供給がボトルネックになっています。
日本の半導体工場はどちらのウェーハを使っていますか?
キオクシア・ウェスタンデジタルの北上工場(NAND)・Rapidusの新千歳(2nm計画)は300mmです。ルネサス・東芝・三菱電機・富士電機などのパワー半導体・アナログは200mm(8インチ)または150mm(6インチ)が主体です。TSMCの熊本工場(JASM)は200mm・300mm両対応で稼働しています。

関連する比較記事

装置部品

FOSBとFOUPの違い(ウェハ搬送容器の比較)

読む →

CZ法とFZ法の違い(シリコン単結晶成長の比較)

読む →
材料・配線

銅配線とコバルト・ルテニウム配線の違い(先端ノード配線材料の比較)

読む →
エッチング

原子層エッチング(ALE)とプラズマエッチング(RIE)の違い

読む →

レーザーアニールとRTP(急速熱処理)の違い

読む →

関連するデータ・ツール

データ日本の半導体サプライチェーン地図データウェハサイズ変遷と用途の対応表計算ツールウェハ取れ数(Die Per Wafer)計算ツール計算ツール歩留まり計算ツール(欠陥密度モデル)
← 比較記事一覧に戻る