中古装置は新品のように仕様が保証されているとは限らないため、受け取ったあとの検査と、その結果の扱いが特に重要です。会社どうしの売買には、受け取った物の検査と通知について商法の定めもあります。この記事では、受け入れ検査の進め方と、契約の段階で決めておきたいことを整理します。
ポイント
- 会社どうしの売買では、受け取った物を遅滞なく検査する義務がある(商法第526条)
- 不具合を見つけたら直ちに通知しないと、修理や減額を求められなくなる
- 受け入れ試験の項目・条件・合否の基準を、契約で決めておく
- 据え付け・立ち上げ後でないと確認できない性能もある
- 現状渡しでも、売主が知りながら告げなかった事実の責任は免れない(民法第572条)
商法が定める検査と通知
商法では、商人間の売買において、買主は受け取った物を遅滞なく検査しなければならないとしています。検査で契約の内容に合わない点を見つけたときは、直ちに売主へ通知しなければ、修理などの履行の追完、代金の減額、損害賠償、契約の解除を求められなくなります。直ちに見つけられない種類・品質の不適合についても、6か月以内に見つけて通知する必要があります。中古装置の売買でもこの定めが基本になるため、受け取ってからの検査の段取りを事前に決めておくことが大切です。
受け入れ試験で確認すること
まず、外観の損傷、付属品と予備部品、ソフトウェアのライセンスが契約どおりそろっているかを確認します。次に、据え付けとユーティリティの接続、立ち上げを行ったうえで、装置の種類ごとに決めた項目で性能を確かめます。たとえば真空装置なら到達真空度とリーク、露光装置なら解像力と重ね合わせ精度、ボンダーなら搭載精度や接合強度などです。どの条件で何を測り、どの値なら合格かを契約に書いておくと、判断がぶれません。
契約で決めておくこと
受け入れ試験の項目と合否の基準のほか、試験を誰がどこで行うか(出荷前の販売者の拠点か、据え付け後の自社工場か)、不合格のときに販売者が修理するのか、代金を減額するのか、契約を解除できるのか、立ち上げにかかる技術者の費用を誰が負担するのかを決めておきます。輸送中の損傷に備えた保険の範囲も確認しておきましょう。
現状渡しの場合の注意
現状渡しの売買では、売主が引き渡し後の不具合について責任を負わない旨の特約を付けることが一般的です。ただし民法では、こうした特約をしても、売主が知りながら告げなかった事実については責任を免れることができないとされています(第572条)。現状渡しの装置を買う場合は、引き渡し前にできる範囲で動作を確認し、販売者が把握している不具合を書面で開示してもらうことが重要です。
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よくある質問
中古装置の検収はいつ行うのがよいですか?
出荷前に販売者の拠点で試験することはできますか?
出典・参考資料
- e-Gov法令検索(デジタル庁)「商法(明治三十二年法律第四十八号)」(2026/10/23 確認)
- e-Gov法令検索(デジタル庁)「民法(明治二十九年法律第八十九号)」(2026/10/23 確認)