最終更新 2026-10-10

BISTとは(自己テスト機能)

Built-In Self-Test

BIST(組み込み自己テスト)とは、チップ内部にテスト用の回路を作り込み、テストパターンの生成と結果判定をチップ自身が行えるようにするテスト容易化設計(DFT)技術です。外部の高価なテスタ(ATE)への依存を減らせるうえ、製造時だけでなく出荷後の起動時などにも自己診断でき、車載など高信頼用途で重視されます。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 紛らわしい言葉の切り分け
  4. よくある質問
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

BIST(Built-In Self-Test:組み込み自己テスト)は、チップ内部にテスト用の回路を作り込み、テストパターンの生成と結果の判定をチップ自身が行えるようにするテスト容易化設計(DFT)技術です。外部の高価なテスタ(ATE)への依存を減らし、製造時だけでなく製品出荷後の現場(起動時など)でも自己診断できるのが特長です。

代表的に、メモリを対象とするMBIST(Memory BIST)と、ロジックを対象とするLBIST(Logic BIST)があります。MBISTは内蔵SRAM/DRAMに定型パターンを書き込み・読み出して不良を検出し、LBISTは擬似乱数パターンで論理回路をテストして応答を圧縮・判定します。

BISTの利点は、テスト時間とATEコストの削減、内蔵メモリなど外部から直接アクセスしにくい回路のテスト、そして車載の機能安全(ISO 26262)で求められる稼働中の自己診断への対応です。一方、テスト回路のぶん面積オーバーヘッドが増えます。

スキャンテストが外部からパターンを与えるのに対し、BISTは自己完結でテストします。両者は組み合わせて使われることが多く、dftやscan-test、ate、sramの各項とあわせて読むと、テスト設計の全体像が理解できます。ツールはSynopsys・Cadenceなどが提供します。

図解

BIST(組み込み自己テスト)の動作の流れ
テスト用の回路のぶん、チップの面積は少し増える。

紛らわしい言葉の切り分け

ATPGとBIST。違いはテストパターンを誰が作り、誰が判定するかです。ATPGはツールで事前に作ったパターンをテスタから流し、テスタが判定します。BISTはパターンを作る回路と判定する回路をチップの中に作り込み、チップ自身がテストして合否を返します。 比較記事 →

この用語を扱う職種

設計・デバイス開発DFTエンジニア(テスト容易化設計)設計・デバイス開発メモリ設計エンジニア

よくある質問(FAQ)

BISTの利点は何ですか?
外部の高価なテスタ(ATE)に頼らずチップ自身がテストを実行できるため、テストコストと時間を削減できます。またテスト端子が少なくて済み、実速度(at-speed)でのテストがしやすく、出荷後の現場でも自己診断できる点が大きな利点です。
MBISTとLBISTの違いは何ですか?
MBIST(Memory BIST)はチップ内蔵のSRAMやDRAMを対象に、規則的なパターンを書き込んで読み出す方式で検査します。LBIST(Logic BIST)はランダム論理を対象に、疑似乱数生成器でパターンを作りレスポンスを圧縮して判定します。用途と回路構成が異なります。
BISTはどんな分野で重視されますか?
車載(ISO 26262)や産業機器など、機能安全が求められる分野です。イグニッション時や定期的にBISTを走らせて故障を自己診断できるため、システムの安全性を継続的に担保できます。

デバイスの製造メーカー

Synopsys米国

世界最大のEDA(電子設計自動化)ソフトウェア企業。論理合成・配置配線・物理検証・TCAD・IPライセンスを提…

Cadence Design Systems米国

EDAとIPの世界2大メーカーの一つ。アナログ・カスタム・デジタルIC設計、PCB・システム解析、AI駆動のJ…

アドバンテスト日本

半導体テスト装置(ATE)市場で世界シェア50%超のリーダー。SoC、メモリ、パワー半導体の包括的テストソリュ…

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出典・参考資料

  1. Synopsys「What is Design for Test (DFT)?」(2026/10/10 確認)