最終更新 2026-10-19

HEMTとは(高電子移動度トランジスタ)

High Electron Mobility Transistor (HEMT)

HEMT(高電子移動度トランジスタ)とは、バンドギャップの異なる化合物半導体のヘテロ接合界面にできる2次元電子ガス(2DEG)をチャネルに使う高速FETです。電子が不純物散乱を受けずに走行するため極めて高い移動度が得られ、GaN HEMTは5G基地局や急速充電器、GaAs HEMTは衛星通信や高周波回路で使われます。

目次5項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 関連用語
  5. 比較・違いを学ぶ

定義・解説

HEMT(高電子移動度トランジスタ、High Electron Mobility Transistor)とは、異なるバンドギャップを持つ化合物半導体のヘテロ接合界面に生じる2次元電子ガス(2DEG)を利用した高速FETです。電子が不純物散乱を受けずに走行するため、極めて高い移動度と高周波特性を実現します。

GaAsやGaN(窒化ガリウム)を用いたHEMTは、5G/6G基地局やレーダー、衛星通信などの高周波・高出力用途に使われます。さらにGaN HEMTは高効率パワーデバイスとして電源やEV分野でも急速に普及しています。インフィニオンやウルフスピードなどが主要メーカーです。

HEMTは、バンドギャップの異なる2つの化合物半導体を接合したヘテロ界面に、自然に高密度の電子の層(2次元電子ガス、2DEG)が生じる現象を利用します。電子が供給層の不純物から空間的に分離されて走行するため散乱が少なく、極めて高い移動度が得られます。

GaAs系HEMTは衛星通信やレーダーなどの超高周波で長く使われ、近年はGaN系HEMTが高周波・高出力を両立して5G/6G基地局やパワーデバイス分野で急成長しています。インフィニオン、ウルフスピード、ブロードコムなどが主要なプレーヤーです。

図解

GaN HEMT(高電子移動度トランジスタ)の層構造と2次元電子ガス
ドーピングした領域と電子の通り道を分けたことが、高い移動度の理由。

関連するデータ・ツール

計算・換算ツールゲート駆動電力・ゲート抵抗 計算ツール

この用語を扱う職種

設計・デバイス開発RF回路設計エンジニア設計・デバイス開発化合物半導体エンジニア

よくある質問(FAQ)

HEMTとは何ですか?
異なるバンドギャップの化合物半導体を接合した界面に生じる2次元電子ガス(2DEG)を利用した高速FETです。電子が不純物散乱を受けにくく、高い移動度と高周波特性を実現します。
2次元電子ガス(2DEG)とは何ですか?
ヘテロ接合界面にできる高密度の電子の薄い層です。電子が供給層の不純物から分離されて走行するため散乱が少なく、HEMTの高移動度の源になっています。
GaN HEMTはどこで使われますか?
5G/6G基地局やレーダーなどの高周波用途に加え、高効率なパワーデバイスとして急速充電器やデータセンター電源、EVでも普及が進んでいます。

デバイスの製造メーカー

Infineon Technologiesドイツ

欧州最大の半導体メーカー。パワー半導体(IGBT・SiC MOSFET)・マイコン・セキュリティICで世界トッ…

Wolfspeed米国

SiC(炭化ケイ素)パワーデバイスの世界最大手メーカー。EV・太陽光・産業用インバーター向けSiC MOSFE…

STMicroelectronics(ST)スイス

フランス・イタリア合弁で設立された欧州大手半導体メーカー。STM32マイコン・SiCデバイス・MEMS・イメー…

Broadcom米国

ネットワーキング・ストレージ・Wi-Fiチップの大手ファブレスメーカー。AIネットワーキング用カスタムASIC…

関連する装置カテゴリ

同じトピックの用語

ディスクリート・光半導体 のトピックで関連する用語です。

同じトピックの企業

日亜化学工業日本ローム(ROHM)日本東芝日本浜松ホトニクス日本ams OSRAMオーストリア三菱電機(半導体)日本

比較・違いを学ぶ