深堀り反応性イオンエッチングとは

Deep Reactive Ion Etching (DRIE)

最終更新:2026-10-07・ドライエッチング装置|用語集のExcel・PDF版をダウンロード

定義・解説

深堀り反応性イオンエッチング(DRIE:Deep Reactive Ion Etching)とは、シリコンやその他の材料を高アスペクト比(深さ/幅の比率が10以上)で精密に掘り込む高度なドライエッチング技術であり、縦壁性(ほぼ垂直な側壁)を保ちながら深い構造を形成できる点が特徴である。MEMSデバイス製造、TSV(シリコン貫通電極)形成、3D NAND積層構造のチャネルホール形成など、幅広い半導体製造工程で活用されている。

DRIEの代表的な手法はBosch(ボッシュ)プロセスであり、エッチングステップとパッシベーションステップを交互に繰り返すことで垂直に近い側壁を実現する。エッチングにはSF₆プラズマを、パッシベーションにはC₄F₈プラズマを使用し、それぞれ数秒サイクルで切り替える。これにより側壁にスキャロップ(帆立貝状の凹凸)が形成されるが、工程条件の最適化により表面粗さを最小化できる。

3D NANDフラッシュ製造においてDRIEは核心技術である。256層を超える積層構造では、アスペクト比50〜80以上の深いホールをナノメートル精度で形成する必要があり、Lam Researchの「Sense.i」シリーズや東京エレクトロン(TEL)の「Vigus」エッチングシステムがこの要求に対応している。

TSV(シリコン貫通ビア)向けDRIEでは、径5〜10μm、深さ50〜100μmの高アスペクト比ビアをウェーハ全面に均一に形成することが求められる。HBMのようなメモリスタックにおいてTSVは電源/信号の垂直接続を担い、DRIEの性能がHBMの電気特性に直接影響する。

次世代課題として、3D NANDの積層数増加(512層以上)に向けた超高アスペクト比エッチング(AR100超)や、2nm以降ロジックのGAA構造形成に必要な原子層エッチング(ALE:Atomic Layer Etching)との組み合わせが研究されている。プラズマ均一性のウェーハ面内制御と高選択比(エッチング対象材料と残す材料の除去速度比)の向上が装置開発の核心テーマとなっている。

図解

ボッシュプロセス(DRIE:深堀り反応性イオンエッチング)の繰り返し工程
アスペクト比10以上の深い構造を、垂直な側壁で掘れる。

この用語を扱う職種

設計・デバイス開発MEMSエンジニア

設備の製造メーカー

Lam Research米国

エッチング装置の世界的リーダー。約39%の市場シェアを持ち、原子層エッチング(ALE)技術で先端3Dチップアー…

東京エレクトロン(TEL)日本

世界第3位の半導体製造装置メーカー。塗布現像、成膜、エッチング装置で高いシェアを誇り、先端プロセスに不可欠な技…

Applied Materials米国

世界最大の半導体製造装置サプライヤー。成膜、除去、改質、分析の包括的な製品ポートフォリオで、ウェーハ製造の全工…

SPTS Technologies(KLA)英国

英国ウェールズのニューポートに拠点を置く、KLA傘下の半導体製造装置メーカー。プラズマエッチング(シリコン深掘…

この用語に関連する製品

型番は各社の公式製品ページで確認したものです。出典のリンクは各製品ページに載せています。

VERSALINE® ICPPlasma-Therm Japan・ドライエッチング装置
Centura® EtchApplied Materials・ポリシリコンエッチャー
Syndion®Lam Research・CMOSイメージセンサー製造装置
ASE-PegasusSPPテクノロジーズ・MEMS
Centura® Silvia™ EtchApplied Materials・TSV形成装置

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出典・参考資料

  1. Applied Materials「Centura® Etch 製品ページ」(2026/10/07 確認)
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