深堀り反応性イオンエッチング(DRIE:Deep Reactive Ion Etching)とは、シリコンやその他の材料を高アスペクト比(深さ/幅の比率が10以上)で精密に掘り込む高度なドライエッチング技術であり、縦壁性(ほぼ垂直な側壁)を保ちながら深い構造を形成できる点が特徴である。MEMSデバイス製造、TSV(シリコン貫通電極)形成、3D NAND積層構造のチャネルホール形成など、幅広い半導体製造工程で活用されている。
DRIEの代表的な手法はBosch(ボッシュ)プロセスであり、エッチングステップとパッシベーションステップを交互に繰り返すことで垂直に近い側壁を実現する。エッチングにはSF₆プラズマを、パッシベーションにはC₄F₈プラズマを使用し、それぞれ数秒サイクルで切り替える。これにより側壁にスキャロップ(帆立貝状の凹凸)が形成されるが、工程条件の最適化により表面粗さを最小化できる。
3D NANDフラッシュ製造においてDRIEは核心技術である。256層を超える積層構造では、アスペクト比50〜80以上の深いホールをナノメートル精度で形成する必要があり、Lam Researchの「Sense.i」シリーズや東京エレクトロン(TEL)の「Vigus」エッチングシステムがこの要求に対応している。
TSV(シリコン貫通ビア)向けDRIEでは、径5〜10μm、深さ50〜100μmの高アスペクト比ビアをウェーハ全面に均一に形成することが求められる。HBMのようなメモリスタックにおいてTSVは電源/信号の垂直接続を担い、DRIEの性能がHBMの電気特性に直接影響する。
次世代課題として、3D NANDの積層数増加(512層以上)に向けた超高アスペクト比エッチング(AR100超)や、2nm以降ロジックのGAA構造形成に必要な原子層エッチング(ALE:Atomic Layer Etching)との組み合わせが研究されている。プラズマ均一性のウェーハ面内制御と高選択比(エッチング対象材料と残す材料の除去速度比)の向上が装置開発の核心テーマとなっている。