最終更新 2026-10-19

NOR型フラッシュメモリとは

NOR Flash Memory
目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 紛らわしい言葉の切り分け
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

NOR型フラッシュメモリとは、フラッシュメモリの一種で、メモリセルを並列(NOR接続)で配置することでランダムアクセス(バイト単位の直接読み出し)が可能なメモリです。NANDフラッシュと比べて容量・コストの面では劣りますが、XIP(eXecute In Place:メモリ上で直接プログラムを実行)が可能な点が最大の特徴です。この特性からマイコンのブートコード格納・BIOS/ファームウェア記憶・車載ECUプログラム保存に広く使われています。

NORフラッシュとNANDフラッシュの主な違いを整理します。アクセス方式:NORはランダムアクセス可能(XIP対応)・NANDはページ単位のシーケンシャルアクセス。読み出し速度:NORが高速(30〜50ns)・NANDは低速(マイクロ秒オーダー)。容量・コスト:NANDが圧倒的に高集積・低コスト。消去単位:NORはセクタ(64KB〜)・NANDはブロック(256KB〜)。用途:NORはコード格納・ブートデバイス、NANDはデータストレージ(SSD・スマホストレージ)。

NORフラッシュの主要市場は車載・産業機器・IoTです。自動車1台あたりのNORフラッシュ搭載量は増加しており、ADAS(先進運転支援システム)のECUブートに高速・高信頼NORが必要です。車載グレードNOR(AEC-Q100準拠・-40〜125℃動作・長期供給保証)はWinbond・Macronix・Microchip・Spansion(現Infineon)が供給し、汎用NANDとは異なる安定市場を形成しています。

NORフラッシュの製造技術はNANDほど微細化競争が激しくなく、55nm〜28nmの成熟プロセスが主流です。1セルが1bitのSLCが信頼性要求の高い用途では標準で、書き換え回数はNAND TLCの数百〜1000回に対してNORは10万回以上を保証します。製造装置としてはDUV露光装置(i線・KrF)・CVD・イオン注入が中心で、先端EUV装置は不要なため設備投資コストが抑えられています。

NORフラッシュ市場の注目点はAI on Deviceの進展です。エッジAIデバイスではFPGAやMCUのブートシーケンスにNORが使われるほか、AIモデルの差分更新(Over-the-Air:OTA)のための高書き換え耐久NORが求められています。また組み込みNOR(eNOR)として先端ロジックプロセスに統合するアプローチも研究されており、IoT向けSoCの単一チップ化に貢献しています。

図解

NOR型フラッシュメモリの用途(ブートコード・ファームウェア・車載ECU)
容量は小さくても、確実で速い読み出しが要る所で使われる。

紛らわしい言葉の切り分け

NORフラッシュとNANDフラッシュ。違いはセルのつなぎ方と読み出しの単位です。NORはセルを並列につなぐため、バイト単位で速くランダムに読み出せ、マイコンのプログラムをそのまま実行できます。NANDは直列につなぐためページ単位の読み書きになりますが、大容量でストレージに向きます。 比較記事 →

設備の製造メーカー

デバイスの製造メーカー

Samsung Electronics(サムスン電子)韓国

世界最大のメモリメーカーであり、先端ロジックファウンドリでもあるIDM。DRAM・NANDフラッシュで市場をリ…

SK hynix(SKハイニックス)韓国

世界第2位のDRAMメーカー、第3位のNANDフラッシュメーカー。AI/HPC向けHBM(高帯域メモリ)で業界…

Micron Technology(マイクロン)米国

米国最大のメモリメーカー。DRAM、NANDフラッシュの両方を製造し、データセンター、自動車、産業用途に強み。

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. 東京エレクトロン nanotec museum「半導体用語集:NOR型フラッシュメモリ」(2026/10/10 確認)