NANDフラッシュはSSD・スマートフォン・USBメモリに使われる不揮発性メモリ。SLC/MLC/TLC/QLCで容量・寿命・速度が変わる。3D NAND(200層超)の仕組み、Samsung・SK Hynix・Kioxia・Micronのシェアと最新技術動向をわかりやすく解説。
NAND Flashは、複数のフローティングゲートトランジスタをNAND(否定論理積)接続した不揮発性半導体メモリです。電源を切っても記憶を保持でき、SSD(ソリッドステートドライブ)・スマートフォンのストレージ・USBメモリ・データセンターのフラッシュストレージとして世界中で大量に使われています。
NAND Flashは記憶方式によって、SLC(1セルに1ビット:高速・高耐久性)、MLC(1セルに2ビット)、TLC(1セルに3ビット:現在の主流)、QLC(1セルに4ビット:大容量・低価格)に分類されます。セルあたりのビット数が増えるほど大容量・低コストになりますが、耐久性(書き換え回数)と速度は低下します。
現代のNAND Flashは3D NANDと呼ばれる立体構造を採用しており、セルを垂直方向に積み重ねることで面積効率を飛躍的に向上させています。2015年にSamsungが初めて量産を開始し、現在は200層以上の積層が実現されています(Samsung、SK Hynix、Kioxia/WD、Micron、Intel(旧SolidIgm)が主要メーカー)。
3D NANDの製造では、数十〜200層以上のSiO₂/SiN交互積層のCVD、超高アスペクト比(100:1以上)のトレンチエッチング(チャネルホールとスリット形成)、High-k材料(Al₂O₃、HfO₂)のALD成膜、多重金属充填など高難度プロセスが連続します。層数増加に伴い、エッチングの均一性制御が最大の技術課題です。
NAND Flash市場はデータセンターのAI・クラウドストレージ需要を主要ドライバーとし、QLC大容量SSDへのシフトと3D NANDの積層数競争が続いています。AIサーバーの普及に伴うデータ量の爆発的増加が、長期的なNAND Flash需要を下支えしています。