DRAM(Dynamic Random Access Memory)は、コンデンサに電荷を蓄積することで1ビットの情報を記憶する揮発性メモリです。コンデンサの電荷は時間とともに自然放電するため、定期的に「リフレッシュ」操作(再書き込み)が必要です。1トランジスタ+1コンデンサ(1T1C)という最小単位で構成され、高密度化に有利な構造です。PCのメインメモリ(DDR5など)やサーバー・スマートフォンのシステムメモリとして不可欠な存在です。
DRAMの性能は主にアクセス速度(レイテンシ・帯域幅)、容量、消費電力で評価されます。世代ごとの規格(DDR1→DDR2→DDR3→DDR4→DDR5)で転送速度が向上しており、DDR5は最大6400 MT/sの転送速度を実現しています。データセンター・AI学習用にはHBM(High Bandwidth Memory)が登場し、2.5D実装により大容量・高帯域幅を実現しています。
DRAMの製造プロセスは独自の技術が必要です。コンデンサは微細化に伴い高アスペクト比のトレンチやスタック型に進化しており、10nm以下ではキャパシタ絶縁膜としてHigh-k材料(ZrO₂、HfO₂)のALD成膜が必須です。セル部(Capacitor)は数十nmの穴(シリンダー・トレンチ)に精密な成膜を行うため、ALDとエッチングの高精度制御が求められます。
DRAM市場は世界3社が約95%のシェアを占める寡占市場です。Samsung Electronics(約43%)、SK Hynix(約30%)、Micron Technology(約22%)が主要メーカーで、製造拠点の多くは韓国・米国・日本(広島)にあります。AIサーバー・データセンターの急拡大に伴うHBM需要の増加が、DRAM市場の最大の成長ドライバーとなっています。
微細化ロードマップでは、現在の1anm(10nm台前半)から1bnm・1cnmへの移行が進んでいます。パターニングにはEUV露光装置(ASML)の採用が拡大しており、多重露光からEUV単一露光への移行によるコスト削減・精度向上が期待されています。