最終更新 2026-10-19

DRAMとは(ダイナミックRAM)

DRAM (Dynamic Random-Access Memory)
目次9項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 紛らわしい言葉の切り分け
  4. よくある質問
  5. 設備の製造メーカー
  6. 関連する製品
  7. 関連用語
  8. 比較・違いを学ぶ
  9. 出典・参考資料

定義・解説

DRAM(Dynamic Random Access Memory)は、コンデンサに電荷を蓄積することで1ビットの情報を記憶する揮発性メモリです。コンデンサの電荷は時間とともに自然放電するため、定期的に「リフレッシュ」操作(再書き込み)が必要です。1トランジスタ+1コンデンサ(1T1C)という最小単位で構成され、高密度化に有利な構造です。PCのメインメモリ(DDR5など)やサーバー・スマートフォンのシステムメモリとして不可欠な存在です。

DRAMの性能は主にアクセス速度(レイテンシ・帯域幅)、容量、消費電力で評価されます。世代ごとの規格(DDR1→DDR2→DDR3→DDR4→DDR5)で転送速度が向上しており、DDR5は最大6400 MT/sの転送速度を実現しています。データセンター・AI学習用にはHBM(High Bandwidth Memory)が登場し、2.5D実装により大容量・高帯域幅を実現しています。

DRAMの製造プロセスは独自の技術が必要です。コンデンサは微細化に伴い高アスペクト比のトレンチやスタック型に進化しており、10nm以下ではキャパシタ絶縁膜としてHigh-k材料(ZrO₂、HfO₂)のALD成膜が必須です。セル部(Capacitor)は数十nmの穴(シリンダー・トレンチ)に精密な成膜を行うため、ALDとエッチングの高精度制御が求められます。

DRAM市場は世界3社が約95%のシェアを占める寡占市場です。Samsung Electronics(約43%)、SK Hynix(約30%)、Micron Technology(約22%)が主要メーカーで、製造拠点の多くは韓国・米国・日本(広島)にあります。AIサーバー・データセンターの急拡大に伴うHBM需要の増加が、DRAM市場の最大の成長ドライバーとなっています。

微細化ロードマップでは、現在の1anm(10nm台前半)から1bnm・1cnmへの移行が進んでいます。パターニングにはEUV露光装置(ASML)の採用が拡大しており、多重露光からEUV単一露光への移行によるコスト削減・精度向上が期待されています。

図解

DRAMの1T1Cセルの動作(書き込み・保持・電荷のリーク・リフレッシュ)
セルが小さく大容量にできる代わりに、リフレッシュが必要な揮発性メモリ。

紛らわしい言葉の切り分け

DRAMとSRAM。記憶の仕組みが違います。DRAMは1トランジスタ+1キャパシタの電荷で覚えるためセルが小さく大容量ですが、電荷が漏れるのでリフレッシュが要ります。SRAMは6トランジスタのラッチで覚えるためリフレッシュ不要で高速ですが、セルが大きく、主にCPU内のキャッシュに使われます。 比較記事 →

DRAMとNANDフラッシュ。電源を切るとデータが消えるか(揮発)、残るか(不揮発)の違いです。DRAMは演算中のデータを置く主記憶、NANDはSSDやスマートフォンのストレージに使われます。 比較記事 →

DRAMとDDR5・LPDDR5・HBM。DRAMはメモリセルの方式の名前で、DDR5・LPDDR5・GDDR・HBMはDRAMチップの入出力インターフェースの規格(JEDECが策定)です。中身はどれもDRAMで、信号の速さ・バス幅・電圧・実装形態が違います。 比較記事 →

関連するデータ・ツール

データDRAM価格の推移と変動の要因計算・換算ツールHBM帯域幅計算ツール(GPUのメモリ帯域・容量)計算・換算ツールメモリ帯域幅計算ツール(DDR・LPDDR・GDDR)

この用語を扱う職種

設計・デバイス開発メモリ設計エンジニア

よくある質問(FAQ)

DRAMとは何ですか?
1トランジスタ+1キャパシタのセルで構成される揮発性メモリです。PCやサーバーの主記憶(メインメモリ)に使われ、電源を切るとデータは消えます。
DRAMとSRAMの違いは?
DRAMはキャパシタに電荷を蓄え高密度・低コストですがリフレッシュが必要、SRAMは高速ですが大容量化が難しくキャッシュに使われます。
DRAMの主要メーカーは?
サムスン、SKハイニックス、マイクロンの3社で世界市場の大半を占めます。AI向けHBMもDRAMを積層して作られます。

設備の製造メーカー

この用語に関連する製品

型番は各社の公式製品ページで確認したものです。出典のリンクは各製品ページに載せています。

Producer Precision APF PECVDApplied Materials・PECVD(プラズマCVD)
T5503HS2アドバンテスト・メモリテストシステム
Magnum EPICTeradyne(テラダイン)・メモリテストシステム
Helios 5 PFIB DualBeamサーモフィッシャーサイエンティフィック・IC開封・断面加工装置
U-Probe日本マイクロニクス・プローブカード
Producer® Selectra® EtchApplied Materials・酸化膜エッチャー
M6242アドバンテスト・テストハンドラ

デバイスの製造メーカー

SK hynix(SKハイニックス)韓国

世界第2位のDRAMメーカー、第3位のNANDフラッシュメーカー。AI/HPC向けHBM(高帯域メモリ)で業界…

Samsung Electronics(サムスン電子)韓国

世界最大のメモリメーカーであり、先端ロジックファウンドリでもあるIDM。DRAM・NANDフラッシュで市場をリ…

Micron Technology(マイクロン)米国

米国最大のメモリメーカー。DRAM、NANDフラッシュの両方を製造し、データセンター、自動車、産業用途に強み。

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同じトピックの企業

アドバンテスト日本キオクシア(Kioxia)日本

比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. Samsung Semiconductor「DRAM」(2026/10/07 確認)
  2. Micron Technology「DRAM components」(2026/10/07 確認)
  3. 東京エレクトロン nanotec museum「半導体用語集:DRAM」(2026/10/07 確認)
  4. Applied Materials「Producer Precision APF PECVD 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  5. アドバンテスト「T5503HS2 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  6. Teradyne(テラダイン)「Magnum EPIC 製品ページ」(2026/10/07 確認)