最終更新 2026-10-19

SEMとは(走査型電子顕微鏡)

Scanning Electron Microscope
目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 紛らわしい言葉の切り分け
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

SEM(Scanning Electron Microscope/走査電子顕微鏡)は、電子ビームを試料表面に走査照射し、放出される二次電子・反射電子を検出することで試料表面の形状・組成を高分解能で観察・分析する電子顕微鏡です。光学顕微鏡の分解能限界(約200nm)をはるかに超え、ナノメートルレベルの微細構造を可視化できます。半導体製造では欠陥観察・断面観察・パターン計測(CD-SEM)に広く使われています。

SEMの基本原理は、電子銃(LaB₆やFEG:電界放射型)から発射した電子ビームを電磁レンズで試料上に数nm〜数十nmの直径に収束させ、ラスタースキャンしながら各点から放出される二次電子を検出することで2次元像を形成します。試料は真空環境(約10⁻³〜10⁻⁶ Pa)に置かれます。加速電圧は500V〜30kVの範囲で調整され、低加速電圧では表面層情報を、高加速電圧では深部情報を得られます。

半導体製造での主な用途は、(1)CD-SEM(Critical Dimension SEM)によるパターン線幅・輪郭の精密計測(日立ハイテクが世界シェア約80%)、(2)レビューSEM(欠陥観察:欠陥検査装置が検出した欠陥箇所を高倍率で詳細観察)、(3)FIB-SEM(集束イオンビームと組み合わせた断面試料作製・観察:不良解析・プロセス評価)などです。

e-beam検査装置もSEMの派生技術を用い、電子線でウェハをスキャンしながら電位コントラスト(Voltage Contrast)によって電気的な欠陥(ショート・オープン)を非破壊で検出します。光学式では検出できない埋め込み欠陥の検出に強みを持ちます。

主要メーカーは日立ハイテク(CD-SEM・FIB-SEM・レビューSEM)、Carl Zeiss(FIB-SEM:Auriga・GeminiSEM)、Thermo Fisher Scientific(Helios FIB-SEM、Spectra SEM)、Applied Materials(SEMVision eBeam review)などです。解像度・スループット・低加速電圧でのコントラスト性能向上が継続的な開発テーマです。

図解

SEM(走査型電子顕微鏡)の構成(電子銃・レンズ・走査コイル・検出器・試料)
表面から出る信号を見るので、ウェハのままでも観察できる。

紛らわしい言葉の切り分け

SEMとTEM。違いは電子を表面で見るか、透過させて見るかです。SEMは試料の表面から出てくる電子を検出するため、ウェハのままでも観察でき、ラインでの寸法計測や欠陥観察に使います。TEMは薄く加工した試料に電子を透過させるため、原子の並びまで見えますが、試料は製品に戻せません。 比較記事 →

この用語を扱う職種

後工程(実装・テスト)故障解析(FA)エンジニア装置・材料メーカー検査装置の画像処理・アルゴリズムエンジニア

設備の製造メーカー

関連する装置カテゴリ

同じトピックの用語

検査・計測 のトピックで関連する用語です。

同じトピックの企業

Hermes Microvision(HMI)米国ライカマイクロシステムズドイツマルバーン・パナリティカル(Malvern Panalytical)オランダパークシステムズ(Park Systems)韓国ノヴァ・メジャリング・インスツルメンツ(Nova)イスラエル堀場製作所日本

比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. 東レリサーチセンター「走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)」(2026/10/10 確認)