結論:CoWoSとInFOの違いは?
CoWoSとInFOの最大の違いは「シリコンインターポーザーの有無」です。CoWoSはシリコンインターポーザーを介して複数チップとHBMを高密度接続する2.5D構造で、NVIDIA H100などのAI GPU向け。InFOはインターポーザーを使わずRDL(再配線層)のみで構成する薄型・低コストのファンアウトWLPで、Apple A/MシリーズなどモバイルSoC向けです。
比較表
| 観点 | CoWoS | InFO |
|---|---|---|
| 構造タイプ | 2.5D:シリコンインターポーザー上にチップを並べ、パッケージ基板に搭載 | ファンアウトWLP:RDL(再配線層)のみ、シリコンインターポーザーなし |
| インターポーザー | シリコン(CoWoS-S)またはガラス(CoWoS-L)のインターポーザー使用 | インターポーザーなし。埋め込みチップをモールドし上下にRDLを形成 |
| 接続ピッチ | マイクロバンプ(40〜55μmピッチ)でインターポーザーと接続 | RDL配線(2〜10μmライン幅)で直接接続 |
| HBM搭載 | HBM2E/HBM3/HBM3EをGPUと同一インターポーザー上に実装可能 | 基本的にHBM搭載には不向き(2D/薄型用途向け) |
| 代表製品 | NVIDIA H100・H200・B100/B200、AMD MI300X | Apple A16/A17/M3・M4シリーズ、一部通信チップ |
| パッケージコスト | 相対的に高コスト(インターポーザー製造コスト+歩留まり) | CoWoSより低コスト。ウェハレベルのまとめ処理が可能 |
| 主な利点 | 超高帯域(HBM対応)・チップレット自由度・I/O密度が最高水準 | 薄型・軽量・低コスト・ファンアウトによるI/Oピン数増加 |
CoWoSが主要なAI GPU向けに選ばれる理由
NVIDIA H100をはじめとするAI学習用GPUは、HBM(高帯域幅メモリ)をGPUダイの周囲に複数スタック搭載し、1TB/s超の帯域幅を実現します。このHBM+GPU同一平面配置を可能にするのがCoWoSのシリコンインターポーザー構造です。インターポーザー上の10,000本以上のマイクロバンプが超高密度I/Oを担い、HBMとの超短距離配線で帯域幅を最大化します。AI需要急増を背景にCoWoS生産能力はTSMCの最重要課題の一つとなっています。
InFOが薄型・低コストパッケージに向く理由
InFOはシリコンインターポーザーを省略することで材料コストと製造工程を削減します。Apple SoCはCPU/GPU/Neural Engineを1ダイに集積するため、CoWoSのような複数ダイ横並べよりも薄型・高I/O数のRDLが適しています。InFO-PoP(Package-on-Package)ではDRAMを上に重ね、スマートフォン向けの超薄型実装を実現しています。
CoWoS-S / CoWoS-L / CoWoS-Rの違い
CoWoSには複数バリアントがあります。CoWoS-S(Silicon)は従来型のシリコンインターポーザー、CoWoS-L(Local Si Interconnect)はガラスやオーガニック基板を組み合わせた大型チップレット向け、CoWoS-R(RDL)はインターポーザーを薄いRDLに置換したコスト重視型です。High-NA EUVや2nmノードへの移行に合わせ、各バリアントの適用範囲が広がっています。