SEMICONDUCTOR BASICS — 比較記事

CoWoSとInFOの違い(TSMC先進パッケージング比較)

CoWoSとInFOは、いずれもTSMCが提供する先進パッケージング技術です。CoWoSはシリコンインターポーザーを介して複数チップを横に並べ高密度接続する2.5D構造で、NVIDIA AI GPU(H100/H200/B100)とHBMの組み合わせに採用されています。InFOはシリコンインターポーザーを使わずRDL(再配線層)のみで構成するファンアウトWLPで、Appleの主力SoC(A・Mシリーズ)向けに薄型・低コスト化を実現します。用途・コスト・構造が根本的に異なる2技術です。

最終更新: 2026-06-30

結論:CoWoSInFOの違いは?

CoWoSとInFOの最大の違いは「シリコンインターポーザーの有無」です。CoWoSはシリコンインターポーザーを介して複数チップとHBMを高密度接続する2.5D構造で、NVIDIA H100などのAI GPU向け。InFOはインターポーザーを使わずRDL(再配線層)のみで構成する薄型・低コストのファンアウトWLPで、Apple A/MシリーズなどモバイルSoC向けです。

比較表

CoWoSInFO
CoWoSInFO観点別比較
観点CoWoSInFO
構造タイプ2.5D:シリコンインターポーザー上にチップを並べ、パッケージ基板に搭載ファンアウトWLP:RDL(再配線層)のみ、シリコンインターポーザーなし
インターポーザーシリコン(CoWoS-S)またはガラス(CoWoS-L)のインターポーザー使用インターポーザーなし。埋め込みチップをモールドし上下にRDLを形成
接続ピッチマイクロバンプ(40〜55μmピッチ)でインターポーザーと接続RDL配線(2〜10μmライン幅)で直接接続
HBM搭載HBM2E/HBM3/HBM3EをGPUと同一インターポーザー上に実装可能基本的にHBM搭載には不向き(2D/薄型用途向け)
代表製品NVIDIA H100・H200・B100/B200、AMD MI300XApple A16/A17/M3・M4シリーズ、一部通信チップ
パッケージコスト相対的に高コスト(インターポーザー製造コスト+歩留まり)CoWoSより低コスト。ウェハレベルのまとめ処理が可能
主な利点超高帯域(HBM対応)・チップレット自由度・I/O密度が最高水準薄型・軽量・低コスト・ファンアウトによるI/Oピン数増加

CoWoSが主要なAI GPU向けに選ばれる理由

NVIDIA H100をはじめとするAI学習用GPUは、HBM(高帯域幅メモリ)をGPUダイの周囲に複数スタック搭載し、1TB/s超の帯域幅を実現します。このHBM+GPU同一平面配置を可能にするのがCoWoSのシリコンインターポーザー構造です。インターポーザー上の10,000本以上のマイクロバンプが超高密度I/Oを担い、HBMとの超短距離配線で帯域幅を最大化します。AI需要急増を背景にCoWoS生産能力はTSMCの最重要課題の一つとなっています。

InFOが薄型・低コストパッケージに向く理由

InFOはシリコンインターポーザーを省略することで材料コストと製造工程を削減します。Apple SoCはCPU/GPU/Neural Engineを1ダイに集積するため、CoWoSのような複数ダイ横並べよりも薄型・高I/O数のRDLが適しています。InFO-PoP(Package-on-Package)ではDRAMを上に重ね、スマートフォン向けの超薄型実装を実現しています。

CoWoS-S / CoWoS-L / CoWoS-Rの違い

CoWoSには複数バリアントがあります。CoWoS-S(Silicon)は従来型のシリコンインターポーザー、CoWoS-L(Local Si Interconnect)はガラスやオーガニック基板を組み合わせた大型チップレット向け、CoWoS-R(RDL)はインターポーザーを薄いRDLに置換したコスト重視型です。High-NA EUVや2nmノードへの移行に合わせ、各バリアントの適用範囲が広がっています。

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よくある質問

CoWoSとは何ですか?(CoWoS とは)
CoWoS(Chip-on-Wafer-on-Substrate)はTSMCの2.5D先進パッケージング技術です。シリコンインターポーザー上に複数のチップ(ダイ)とHBMを横並びに搭載し、マイクロバンプで超高密度接続します。NVIDIA H100/H200など主要AI GPUの製造に採用されており、AI学習に不可欠なHBMとの超広帯域接続を実現します。
InFOとは何ですか?(InFO とは)
InFO(Integrated Fan-Out)はTSMCのファンアウトウェハレベルパッケージング技術です。シリコンインターポーザーを使わず、チップをモールド材に埋め込んでRDL(再配線層)で接続します。薄型・軽量でApple A/Mシリーズに採用されています。CoWoSと比べてHBM搭載は難しい反面、コストと薄型化で優位です。
CoWoSはなぜHBM搭載GPUに選ばれますか?
CoWoSのシリコンインターポーザーはGPUダイとHBMスタックを同一基板上に近接配置できます。インターポーザー上のマイクロバンプがGPU-HBM間を超短距離・超高密度で接続し、1TB/s超の帯域幅を実現します。HBMの4〜8スタックを同一パッケージに搭載するにはこの構造が最適です。
CoWoSとInFOのコスト差はどれくらいですか?
正確な数字は非公開ですが、CoWoSはシリコンインターポーザーの製造コストと歩留まり管理が必要なため、InFOより大幅に高コストとされています。NVIDIA H100パッケージコストの相当部分がCoWoSに起因するとされます。InFOはウェハレベル処理でスケールメリットが出しやすく、量産コストはCoWoSより低い傾向があります。
TSMCのCoWoS以外に類似技術はありますか?
はい。Intel EMiBは有機インターポーザーを使いコストを抑えた2.5D技術、Samsung I-Cube(I-Cube4/8)はTSMC CoWoS相当のシリコンインターポーザー技術、ASE/Amkorなどのファウンドリ・OSAT各社もカスタム2.5D/fanout技術を展開しています。AIチップレット市場の拡大とともに各社の技術競争が加速しています。
2.5Dと3Dパッケージングの違いは?
2.5D(CoWoS等)は複数ダイをインターポーザー上に横並びに配置します。3D(SoICやCube等)は複数ダイを縦方向に積み重ね、TSVやハイブリッドボンディングで接続します。3Dは帯域密度が最高ですが熱設計が難しく、2.5Dはバランス面で現在の最主流です。詳細は比較記事をご覧ください。

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