最終更新 2026-10-19

HBMとは(高帯域幅メモリ)

High Bandwidth Memory

HBM(広帯域幅メモリ)とは、複数のDRAMダイをTSV(シリコン貫通電極)で垂直に積層し、極めて広いバス幅で接続する3次元メモリです。1スタックあたり1024bitというDDRとは桁違いのバス幅により、HBM3Eでは1.2TB/sの帯域を実現します。AI学習用GPU(NVIDIA H100/H200/B200)に不可欠で、SK Hynix・Samsung・Micronが供給しています。

目次8項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 紛らわしい言葉の切り分け
  4. よくある質問
  5. 関連する製品
  6. 関連用語
  7. 比較・違いを学ぶ
  8. 出典・参考資料

定義・解説

一言で言うと「HBM(High Bandwidth Memory)とは、DRAMチップを縦に積み重ねてTSV(貫通電極)でつなぎ、超広い帯域幅でデータを高速転送するメモリ技術」です。AI学習に使われるNVIDIA H100・H200に搭載されており、通常のDDRメモリの数十倍の帯域幅を持ちます。HBM2E・HBM3・HBM3E・HBM4と世代が進むたびに帯域幅が向上しています。

HBM(High Bandwidth Memory)は、複数のDRAMダイをTSV(シリコン貫通電極)で垂直に積層し、広帯域幅・低消費電力のメモリアクセスを実現する高性能3次元メモリ技術です。一般のDDRメモリに比べて格段に広いバス幅(1024〜2048bit)を持ち、AIサーバー・GPU・HPC(高性能コンピューティング)向けアクセラレータに欠かせない存在です。

HBMは規格の世代ごとに帯域幅が向上しています。HBM(第1世代、2013年)→HBM2(128GB/s/stack)→HBM2E→HBM3(最大819GB/s/stack)→HBM3E(最大1TB/s以上)と進化しています。NVIDIA H100はHBM3を80GB搭載し、3.35TB/sの総帯域幅を実現しています。

HBMは複数のDRAMダイ(4〜12枚)をTSVで積層し、その下にベースダイ(Logic die)を接続したスタック構造です。このメモリスタックとGPU(またはSoC)をシリコンインターポーザ上に横並びに搭載し、マイクロバンプで接続する「2.5D実装(CoWoS)」がほぼ標準的な実装方式です。インターポーザを介することで、GPU-HBM間の信号伝達距離を最短化しています。

HBMの主要メーカーはSK Hynix(市場シェア約50%、HBM3Eで先行)、Samsung Electronics、Micron Technologyの3社のみです。NVIDIA・AMD・Intelのアクセラレータ向けHBM需要が急拡大しており、2024〜2025年にかけてHBM供給が需要に追いつかない「HBM不足」が問題となっています。

HBMの製造にはTSV形成・ウェハ薄型化・マイクロバンプ接合・ハイブリッドボンディングなどの先端後工程技術が必要です。関連装置メーカーとして、TSV成形にLam Research・Applied Materials、マイクロバンプ接合にASMパシフィック・Besi・東レエンジニアリング、ウェハ研削にDISCOなどが深く関与しています。

図解

HBM(高帯域幅メモリ)1スタックの構造(DRAMダイ・TSV・ベースダイ・インターポーザー)
AI学習用のGPUに欠かせないメモリ。

紛らわしい言葉の切り分け

HBMとDRAM。HBMは別の種類のメモリではなく、DRAMダイをTSVで縦に積み重ね、広いバスでつなぐ実装形態です。中のセルはDRAMと同じ仕組みで動きます。 用語解説 →

HBMとGDDR。どちらもGPU向けの広帯域メモリですが、稼ぎ方が違います。HBMはインターポーザ上でGPUの隣に置き、非常に広いバス幅を低い動作周波数で使います。GDDRはプリント基板上に並べ、狭いバスを高い周波数で動かします。 比較記事 →

HBM3・HBM3E・HBM4。HBMの世代名です。世代が進むと1スタックあたりの帯域と容量が上がります。HBM3E はHBM3の拡張版として各メモリメーカーが製品名に使っている呼び方です。 比較記事 →

HBM2EとHBM3。HBMの世代の違いで、HBM3はピンあたりの転送速度が上がり、1スタックの帯域がHBM2Eのほぼ2倍になりました。積層数も増え、1スタックの容量も大きくなっています。 比較記事 →

関連するデータ・ツール

データHBM世代別スペック一覧表(HBM2E〜HBM4)データプローブカードの世界シェアと主要メーカーデータDRAM価格の推移と変動の要因計算・換算ツールHBM帯域幅計算ツール(GPUのメモリ帯域・容量)計算・換算ツールメモリ帯域幅計算ツール(DDR・LPDDR・GDDR)

この用語を扱う職種

設計・デバイス開発SoCアーキテクト設計・デバイス開発メモリ設計エンジニア事業・サプライチェーン半導体の市場アナリスト事業・サプライチェーン半導体の標準化(SEMI・JEDEC)担当後工程(実装・テスト)半導体の熱設計エンジニア

よくある質問(FAQ)

HBMとは何ですか?
DRAMを積層しTSVで接続した超広帯域メモリです。AI向けGPUに搭載され、通常のDDRの数十倍の帯域でデータを供給します。
なぜAIにHBMが必要なのですか?
AIの計算は膨大なデータ転送を伴い、メモリ帯域が性能を左右するためです。HBMの広帯域がGPUの演算能力を引き出します。
HBMの主要メーカーは?
SKハイニックス、サムスン、マイクロンが供給します。AI需要で生産能力の確保が業界の焦点になっています。

この用語に関連する製品

型番は各社の公式製品ページで確認したものです。出典のリンクは各製品ページに載せています。

T5503HS2アドバンテスト・メモリテストシステム
9800 TC nextBesi・HBM(高帯域幅メモリ)
Kinex™ Die-to-Wafer Hybrid Bonding SystemApplied Materials・ハイブリッドボンディング装置
APAMAKulicke & Soffa・ダイボンダー
CPM1080TOWA・封止装置(モールディング)
FIREBIRD TCBASMPT・チップレット実装装置
EVG®850 TBEV Group・HBM(高帯域幅メモリ)
XBC300 Gen2 D2WSuss MicroTec・ハイブリッドボンディング装置
Syndion®Lam Research・CMOSイメージセンサー製造装置
Magnum 7HTeradyne(テラダイン)・メモリテストシステム
TC BONDER 4.5 GRIFFINハンミ半導体(Hanmi Semiconductor)・HBM(高帯域幅メモリ)
HawkCamtek・パッケージ外観・バンプ検査装置

ほか 6 製品は製品一覧から探せます。

デバイスの製造メーカー

SK hynix(SKハイニックス)韓国

世界第2位のDRAMメーカー、第3位のNANDフラッシュメーカー。AI/HPC向けHBM(高帯域メモリ)で業界…

Samsung Electronics(サムスン電子)韓国

世界最大のメモリメーカーであり、先端ロジックファウンドリでもあるIDM。DRAM・NANDフラッシュで市場をリ…

Micron Technology(マイクロン)米国

米国最大のメモリメーカー。DRAM、NANDフラッシュの両方を製造し、データセンター、自動車、産業用途に強み。

関連する装置カテゴリ

同じトピックの用語

先端パッケージング・メモリ半導体・次世代インターフェース・相互接続 のトピックで関連する用語です。

同じトピックの企業

Besiオランダアドバンテスト日本Intel米国Kulicke & Soffa米国TSMC(台湾積体電路製造)台湾EV Groupオーストリア

比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. JEDEC「High Bandwidth Memory (HBM3) DRAM(JESD238)」(2026/10/07 確認)
  2. SK hynix「HBM」(2026/10/07 確認)
  3. Samsung Semiconductor「HBM」(2026/10/07 確認)
  4. アドバンテスト「T5503HS2 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  5. Applied Materials「Kinex™ Die-to-Wafer Hybrid Bonding System 製品ページ」(2026/10/07 確認)
  6. TOWA「CPM1080 製品ページ」(2026/10/07 確認)