ウェハボンダー(Wafer Bonder)とは、2枚以上のウェハまたはチップを原子・分子レベルで接合する先進パッケージング用装置です。CMOSイメージセンサー(CIS)の配線層接合、3D IC(TSV積層)、MEMS・センサーのキャップ接合、そしてAIチップ向けハイブリッドボンディングまで、用途ごとに多様な接合方式をサポートします。半導体の3次元集積が進む中で、ウェハボンダーはバックエンド装置の中で最も注目度が高まっているカテゴリの一つです。
代表的な接合方式として以下の4種類があります。①ダイレクトボンディング(酸化膜同士の直接接合):プラズマ活性化後に室温で仮接合し、アニールで強固な共有結合を形成。②ハイブリッドボンディング(Cu+誘電体の同時接合):1μm以下ピッチの超微細電極接合で3D ICに不可欠。③融着ボンディング(Fusion Bonding):高温(約800〜1100℃)でSi同士を直接融着。④接着剤(Adhesive)ボンディング:低温対応・異種材料接合に有利。
ウェハボンダー市場はEV Group(EVG、オーストリア)とSÜSS MicroTec(ドイツ)の欧州2社が世界シェアの過半数を占め、技術的にも世界をリードしています。EVGは200mm/300mmウェハのハイブリッドボンディング・ダイレクトボンディング装置で実績を持ち、SÜSSは低温接合・MEMS分野で強みがあります。ASMPTやACSESSもダイ対ウェハ(D2W)ハイブリッドボンディング装置を展開しています。
ハイブリッドボンディング向けウェハボンダーでは、接合界面の平坦度(表面粗さRa<0.5nm)とCuパッドのディッシング量(<1nm)、そしてアライメント精度(±200nm以下)が特に重要な仕様です。ウェハ表面にパーティクルが1個でも残ると接合界面にボイドが生じ、電気的接続不良につながります。このため、超高清浄(ISO 1クラス相当)なボンダー環境と、前工程のCMP・洗浄工程との一体的な品質管理が必須となります。
2025年以降、AIチップ(GPU・HBM統合、logic-on-logic積層)とCMOSイメージセンサー(3層積層CIS)向けの需要拡大により、ウェハボンダー市場は急成長が見込まれています。TSMCのSoIC(Compact Universal)、Samsungの3D DRAM、Intelの次世代3D積層技術など、主要ファウンドリが相次いでハイブリッドボンディング量産ラインを増強しており、ウェハボンダーの需要は2025〜2030年にかけて年率20%超の成長が予測されています。