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DRAMとSRAMの違い(速度・容量・用途の比較)

DRAMとSRAMはどちらも揮発性半導体メモリですが、データの記憶原理が根本的に異なります。DRAMはキャパシタ(コンデンサ)に電荷を蓄えてビットを記憶し、定期的なリフレッシュが必要ですが高集積・大容量でコストが低くメインメモリに使われます。SRAMはトランジスタ6個のフリップフロップ回路でビットを保持し、リフレッシュ不要・超高速ですがセル面積が大きく高コストのためCPUキャッシュに使われます。

最終更新: 2026-08-02

結論:DRAMSRAMの違いは?

DRAMとSRAMの最大の違いは「記憶原理とリフレッシュの要否」です。DRAMはキャパシタに電荷を蓄える1T1C構造で数十ms周期のリフレッシュが必要、レイテンシは約50〜100nsですが、1セルが小面積で高集積・低コストのためメインメモリに使われます。SRAMは6トランジスタのフリップフロップで保持するためリフレッシュ不要、0.3〜1nsと超高速ですが、セル面積が大きく高コストのためCPUキャッシュに使われます。

比較表

DRAMSRAM
DRAMSRAM観点別比較
観点DRAMSRAM
記憶原理キャパシタへの電荷蓄積(1T1C構造)6トランジスタ(6T)フリップフロップ
リフレッシュ必要(数十ms周期で電荷再書き込み)不要(電源がある限りデータ保持)
アクセス速度(レイテンシ)約50〜100ns(DDR5でも実効60ns程度)約0.3〜1ns(L1キャッシュは0.3〜0.5ns)
集積度(ビット密度)高い(1セル=1T1Cで小面積)低い(1ビット=6T、セル面積大)
ビットコスト低い(大量生産で$/GB単価が低下)高い(DRAMの50〜100倍以上)
消費電力リフレッシュ電力あり・スタンバイ時も消費アクティブ時は高速だがアイドル時の静的電力も大きい
主な用途PCメインメモリ・スマートフォンRAM・グラフィクスVRAMCPUキャッシュ(L1/L2/L3)・SRAM組み込みバッファ・レジスタファイル
代表製品DDR5・LPDDR5・HBM3・GDDR7SRAM IP(ARM・Synopsys等)・スタンドアロンSRAM(Cypress・ISSI)

CPUキャッシュ階層とSRAMの関係

現代のCPUはL1キャッシュ(32〜64KB)・L2キャッシュ(256KB〜1MB)・L3キャッシュ(数MB〜数百MB)の階層を持ち、すべてSRAMで構成されます。L1はCPUコアあたり1サイクル以内(0.3〜0.5ns)でアクセスでき、DRAM(約100ns)の200倍以上高速です。AppleのM3チップではL3キャッシュに24MBものSRAMを搭載し、メインメモリへのアクセス頻度を下げることでM1の電力効率を実現しています。

HBMはDRAMとSRAMの中間を狙う

HBM(広帯域メモリ)はDRAMチップを積層しGPU/AIチップとシリコンインターポーザ上で近接接続することでDRAMの帯域幅をSRAM並みに近づける技術です。HBM3Eでは1スタックあたり1.2TB/sの帯域幅を実現し、大規模LLM推論でのボトルネックを緩和します。ただしコストはDDR5の20〜30倍以上で、量産汎用品ではなくAIアクセラレータ専用メモリとして使われます。

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よくある質問

SRAMはなぜメインメモリに使われないのですか?
SRAMはDRAMの50〜100倍のコストがかかります。8GBのメインメモリをSRAMで作ると数十万円以上になり現実的ではありません。また大容量のSRAMはリーク電流による消費電力も問題になります。そのためSRAMはコストより速度が優先されるCPUキャッシュ用途に限定されています。
組み込みSRAM(eSRAM)とは何ですか?
eSRAM(embedded SRAM)はSoCやFPGAのチップ内に組み込まれたSRAMブロックです。外部メモリへのアクセスなしに超高速なデータ読み書きが可能で、リアルタイム制御・画像処理バッファ・AIの重みキャッシュとして使われます。MicrosoftのXbox SoCに使われたeSRAMが有名で、32MBのeSRAMで外部メモリ帯域の不足を補いました。
DRAMのリフレッシュが不要なメモリはありますか?
はい。SRAMの他にも、MRAMやReRAM・PCMなどの新興不揮発性メモリはリフレッシュ不要です。これらはDRAMとSRAMの中間的な特性を持つ「Storage Class Memory(SCM)」としてデータセンター用途での研究・商用化が進んでいます。

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