DDR4とDDR5の違い(速度・電圧・互換性の比較)
DDR4は2014年に登場し、Intel第6世代(Skylake)から普及したメモリ規格です。DDR5は2021年にIntel Alder Lake(第12世代Core)と共に登場し、帯域幅を最大2倍以上に引き上げ、モジュールあたりの容量も大幅に増加しました。両者は物理的に互換性がなくソケット形状が異なりますが、DDR4は価格・成熟度・入手性でまだ優位にあり、DDR5は高性能PC・サーバー・AI推論で採用が急速に拡大しています。
結論
DDR4とDDR5の最大の違いは「転送速度とモジュール容量」です。DDR4は2014年規格(JESD79-4)で1600〜3200MT/s・1.2V・DIMM最大32GB。DDR5は2020年規格(JESD79-5)で3200〜8800MT/s・1.1V・DIMM最大64〜128GBへ引き上げられました。両者はソケット形状が異なり物理的に互換性がないため、マザーボードに合わせた選択が必要です。
主な違い
| 観点 | DDR4 | DDR5 |
|---|---|---|
| 標準化時期 | 2014年(JEDEC JESD79-4) | 2020年(JEDEC JESD79-5) |
| 転送速度(データレート) | 1600〜3200 MT/s(OC: 〜5000MT/s) | 3200〜8800 MT/s(OC: 〜10000MT/s以上) |
| 動作電圧 | 1.2V(LP版: 1.1V) | 1.1V(LP版: LPDDR5は1.05V) |
| モジュール容量 | 最大32GB(DIMM) | 最大64GB〜128GB(DIMM) |
| バンク構成 | 4バンクグループ × 4バンク(BG×4×4) | 8バンクグループ × 4バンク(BG×8×4)で並列度向上 |
| オンダイECC | なし(ECC DIMMは別途) | On-Die ECC標準搭載(信頼性向上) |
| 電源管理 | マザーボード上のVRM(電圧レギュレータ)が制御 | モジュール上にPMIC搭載(電源管理をDIMM側で実施) |
| 互換性 | LGA1200・AM4のほか、LGA1700(Intel 12〜14世代)のDDR4対応マザーボードでも利用可 | LGA1700(Intel 12〜14世代、DDR5対応マザーボード)・AM5(Ryzen 7000〜、DDR5専用) |
| 価格(GB単価) | DDR5より安価(価格差は縮小傾向) | DDR4より高いが、価格差は急速に縮小 |
サーバー・AI向けでDDR5が急速に普及する理由
データセンター向けサーバープロセッサ(Intel Sapphire Rapids・AMD Genoa以降)はDDR5を前提としており、新規サーバー導入ではDDR4は選択肢から外れています。AI推論ではLLMの重みをメモリに格納するため帯域幅がボトルネックになりやすく、DDR5の高帯域幅(最大67GB/s/チャネル)とDDR4(最大25GB/s/チャネル)の差が直接処理性能に影響します。2024年時点でDDR5の価格はDDR4に急接近し、新規購入ではDDR5が標準的な選択肢になっています。
DDR4からDDR5へ移行すべきタイミングは
既存のDDR4環境(Intel 10/11世代・AMD Zen 3以前)は引き続きDDR4を使い続けることが経済的です。新規PC・サーバーの構築であればIntel 12世代以降・AMD Ryzen 7000以降のDDR5プラットフォームが長期使用を考えると有利です。ただしOCメモリ(XMP/EXPO)でDDR5を高クロック動作させる場合は相性問題が発生しやすく、QVLリストの確認が重要です。
よくある質問
DDR4とDDR5は同じスロットに挿せますか?
ゲーミングPCではDDR5の恩恵はありますか?
DDR5のオンダイECCは通常のECC DIMMと同じですか?
あわせて読む
出典・参考資料
- JEDEC「DDR4 SDRAM STANDARD」(2026/10/10 確認)
- JEDEC「DDR5 SDRAM(JESD79-5)」(2026/10/07 確認)
- Micron Technology「DRAM components」(2026/10/07 確認)